共産党ってどんな政党? 志位和夫さんに聞いてみた
- 笑下村塾

- 6月30日
- 読了時間: 4分
更新日:7月1日

共産党はどのような理念で活動している政党なのでしょうか。志位和夫さんにインタビューしました。(取材日:2021年9月13日)
ーー 日本共産党は、どういうことを理念にした党ですか?
社会主義、共産主義が理念です。今、世界的にも貧富の格差がひどいじゃないですか。気候変動も大変な危機になっていますよね。お金儲け第一、利潤第一では立ち行かなくなっている。この社会を乗り越えて人類はもっと先に進むことができる。
社会主義、共産主義といっても、潰れてしまったソ連や今の中国みたいな自由もなければ民主主義もない、人権もないという社会ではなくて、資本主義の下で、みんなの力で勝ち取った自由や民主主義、人間の個性をみんな引き継いで豊かに花を開かせる社会を目指します。
ーー 「共産主義」という言葉をちょっと怖いと思う人もいそうですが。
共産主義社会の特徴は、全ての人間が自由で全面的に発展できることです。みんなが自分の能力を活かせる。そのために一番大事なことは、労働時間をうんと短くする。自由な時間でみんなが自己実現ができるということです。
マルクスもエンゲルスも若いころからそういう社会をどうしたら作れるかをずっと探求していた。「共産党宣言」にある有名な言葉として、「共産主義とは、各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件になる」。キーワードは「自由」なんですよ。自由に発展する社会ですから、僕は好きになりました。

ーー 日本共産党が国会で最も多く議席を占めたら、社会はどう変わるんですか?
いっぺんに社会主義・共産主義を作ろうと考えているわけじゃないんですね。今の日本には大きな歪みが二つあります。ひとつはあまりにひどい「アメリカ言いなり」。例えば沖縄の米軍基地新規建設の問題。アメリカの言いなりを正して、本当の独立国と言える日本を作る。
もうひとつは、財界の身勝手という問題。例えば長時間労働、過密労働、非正規雇用。本当に働く人を使い捨てにする。こういうまともなルールがない社会をきちんと正していく。
この二つの歪みを正して民主主義の徹底した日本を作る、民主主義革命と私たちは呼んでいますが、それが当面の目標です。
ーー 綱領を見ると、共産党は改憲に反対の立場ですよね。なぜそこまでこだわるんですか?
僕らは今の憲法はとてもよくできていて、変える必要がないと思っています。今の憲法の前文から全部の条項、これを全面的に擁護すると。特に平和的な、民主的な条項がありますよね。これは完全に自負するということで、日本の政治はうんと前に進められる。憲法と日本の政治の関係で言うと、憲法はかなり進んでいるけれども、日本の政治家はずっと遅れている。
例えば憲法には、30条に及ぶ人権項目がある。あれだけ詳しく人権が規定されている憲法というのは、世界でも珍しいんですよ。ところが日本の人権は守られていない。例えば女性の権利、労働者の権利、学ぶ権利、守られていませんよね。言論の自由も危ういこともある。ですから、憲法では立派なことが書いてあるのに、政治が遅れちゃっているんですね。政治を憲法並みにするというのが今の政治の役割であって、憲法を変えることに中心があると思っていません。

ーー 若者政策で、力を入れていることは何ですか?
学費の問題や奨学金の問題はもちろん大事なので、きちんとやっていきたいと思います。ただ、「若者政策」と言うと狭くなってしまう。
以前、若い皆さんとのトークの場で感じたんだけれども、若い人たちの間では気候変動やジェンダーなど、世界の大問題に強い関心がある人が多いですよね。そういう、若い人たちに身近な問題を党として取り上げていきたい。
共産党では、選挙の大きな争点の中にも、それらの問題を取り入れてきました。例えば、気候危機を本気で打開しようと。さらに、ジェンダー平等な日本を作る、選択的夫婦別姓も認める、など、具体的な提案をしています。このように、若い皆さんにとってすごく身近な問題を、党としても全力で争点にするという姿勢でやろうと思っています。
■動画で政治家の生の声を聞いてみよう!
■ほかの党の理念も読んでみよう!(6/27から7/1にかけて順次公開)


