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  • 執筆者の写真笑下村塾

「政治が最後を決めている、だから政治家を志した」財務省官僚から政治家へ転身した国民民主党・玉木雄一郎代表の素顔に迫る

こんにちは、スタッフの池田です。

政治家の個人的な部分にまで踏み込んで質問することで、その人柄を知り政治に興味を持ってもらおうというインタビューシリーズ。ラジオ番組「PEOPLE 〜たかまつななの政治家とだべろう〜」。今回は国民民主党の代表、玉木雄一郎さんです。なぜ政治家に?もし総理になったら?その人柄に迫りました。(取材:たかまつなな/笑下村塾)

※こちらは、2023年 9月 22日に収録した内容です


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玉木雄一郎さん:1969年(昭和44年)生まれ。54歳。同い年の有名人は福山雅治さん、武豊さん、石田ゆり子さん。出身は、香川県の大川郡寒川町、現在のさぬき市。実家は農家。高校まで地元で過ごし、東京大学法学部に進学、卒業後、当時の大蔵省に入省。1995年にアメリカ、ハーバード大学ケネディスクールに留学。帰国後の2002年からは内閣府へ出向、当時の行政改革担当大臣・石原伸晃氏の秘書専門官に就任。2005年に財務省を退官、9月の衆院選に民主党公認で立候補したが落選。2009年9月の衆議院選挙で初当選し、現在は衆議院議員として5期目。2018年に結党した国民民主党の代表。

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対談の動画はこちらからご覧ください。



官僚から政治家へ


ーーすごいプロフィールですね。


玉木:紆余曲折ありましたけどね。ただ、福山雅治さんや石田ゆり子さんと同級生ですから、まだまだ頑張ろうと思ってね。


ーー54歳。国会議員の中で54歳ってどうなんですか。


玉木:まだ80代の人が幅を利かせてますから、ひよっこみたいな感じです。アメリカもトランプさん、バイデンさん、後期高齢者同士の戦いですから。でも、長くやることがいいという気持ちもないんですよね。政策なり何かを1つ実現するためにあるのが政党だし、政治家だと思ってるから。


ーー引退する年齢などは決めているんですか。


玉木:自分なりに何か目標を達成して政策が実現できたらと思っています。教育国債を導入して教育予算を倍増する。これができたら、日本はやっていけますよ。できなかったら日本は駄目になるので。


ーーもともと官僚としてキャリアを歩んでいましたが、なぜ政治家を志したんですか?


玉木:政治が最後を決めているからです。いいことも悪いことも。私が大蔵省、財務省に入った頃はまだいわゆる官僚主導で、特に当時の大蔵省がいろんなことを決めていたと。半分政治家みたいなこともやっていたんですよね。ただ、それが傲慢になったし、役所が全部動かせるというのは本来の民主主義ではないので、直接国民から選ばれた政治家がちゃんとしないと駄目だなと思ったのが最初ですね。


ーー特に危機感を覚えたことがあったんですか?


玉木:小泉内閣のときに役人をやっていましたから、ある意味改革を進めるのも政治だったし、止めるのも政治だというのはよく見ましたね。だから政治家がしっかりしないといけないと思ったし、アメリカのハーバード大学に留学したとき、世界中の将来の政治家の卵みたいな人が集まってきていて、彼らは本当に国をしょってやろうという気持ちにあふれていて優秀なんですよね。だからやっぱり、日本の政治も変わっていかないと、官僚の手のひらの上で踊るような政治じゃ駄目だと思いました。





家族を巻き込む政治家のあり方も変えるべき


ーー結婚式を挙げたのもハーバード大学の教会だそうですね。


玉木:日本で出会って籍だけ入れて、私が先に渡米して結婚式を大学の教会で挙げました。

学割みたいなのがあってハーバードの教会が安かったんですよ。


ーー奥様のどういうところが好きなんですか。


玉木:難しいですね。選挙も一緒にやってますからね、苦楽を共にしてきた感じですね。


ーー1年の中で休日は何日ぐらいあるんですか


玉木:基本的にないですよ。でも毎日が休日だと思ってやっているんですよ。オンとオフがないって言われるんだけど、ある種日常もオフだと思っていないとメンタル持たないしね。だから、1日の中でもオンとオフをつくりながらやってるって感じですよね。


ーーご家族でゆっくりご飯とか食べることはできるんですか。


玉木:なかなかないね。たまに一緒に食べるときはそれを大切にする。私が東京にいるときは奥さんが地元とか、逆だったり、役割分担もしながらやっていたりするので。


ーー奥さまとはお互いに理解し合っていると感じていらっしゃいますか?

玉木:どこまで理解してるかね。政治家になると、男のほうは「日本を変える」とか何か言ってロマンを語るけど、旦那のロマンは女房の不満なんですよね。逆もありで、奥さんのほうが「私、政治家になる」って言うと、女房のロマンが旦那の不満みたいなところもあって、ロマンと不満は背中合わせですよ。


ーー政治家の家族になるって大変ですよね。


玉木:最近の若い人は最初から配偶者を選挙に出さない、応援にも挨拶にも出さないと決めてやっている人もいます。でも、田舎だとやっぱり、「家族が一生懸命やらないのに何で他の人が手伝ってくれるんだ」みたいなこともあってね。


ーー面倒くさいですね。


玉木:そういうことも変えていかないといけないなと。あと、国民民主党だと、例えば在職立候補制度を推奨していて、会社に籍を置いたまま選挙に出られるようにするとか。背水の陣で全てをなげうってやりますって言ったってなかなか投げうつことは難しい。常識的な感覚を持った、今企業にお勤めになっているような方でも選挙に出てくれたほうが、私はもっと政治が身近になっていくんじゃないかなと思っています。



趣味は早朝のランニング


ーー玉木さんの趣味は何なんですか。


玉木:最近やっと走り始めました。体を動かし始めて。もともと陸上競技をやっていたし、いろんなスポーツをやっていたので体を動かすのは好きだったんですけど。


ーー大学時代、陸上部で十種競技をしていたんですよね。お忙しいのに、いつ走っているんですか。


玉木:朝早く。6時半から7時半ぐらい。早いときは8時とか9時からは朝の会議が始まっちゃうので。そこからシャワーを浴びて用意しても8時に間に合うから。


ーー夜は何時ぐらいまで働いているんですか。


玉木:1時ぐらいまで起きてます。5時間ぐらい寝ると昼間も眠くならない。ショートスリーパーかな。でも、新幹線とかタクシーとか、20分ぐらいの移動でコテッと寝れます。




総理大臣になったらやりたいこと


ーー玉木さんが内閣総理大臣になったら、一番やりたいことは何ですか。


玉木:教育と科学技術の予算を倍にしたいです。日本はそこで食っていくしかないんです。石油も天然ガスも出ないからね。中国は、大学への研究開発予算を24.5倍にしてるし、韓国でも5.8倍だし、アメリカでも2.8倍なのね。日本は0.9倍で、なんと1割減らしている唯一の国ですよ。こんなの絶対食っていけなくなります。だから、教育国債という新しい国債を発行して、来年からでも教育と人づくりの予算を倍にするということですね。


あとは、将来の課題って何が起こってくるか分からない。でも、いい人材を未来に送り込んでおけば、たぶん彼らが全部解決してくれるから。解決する人材がいなければ、ただ右往左往して終わりだし、国そのものも滅びてしまうと思うから。今の政治家としてやれるのは次世代をつくること、あとは、政治家はいろんなことができそうに見えて、結局最後はお金をつけることぐらいしかできないので、予算をしっかりつけることですね。


ーー私は去年、教育無償のスウェーデンに取材に行ったんですけど、無償だとどんどん新しいことに挑戦できるなと。例えば、コロナで会社をクビになっても大学で学び直しができるんですね。そうやって国が強くなっていく。日本もそうなるといいなと思います。


玉木:もう一つ、人の悪口とか誰かを責めて留飲を下げるような日本を変えたいです。自らをアップデートするとか、ゼロベースで新しい挑戦ができる環境が整っていないから、自分より下の人を見つけてはたたいて、相対的に優れているという歪んだ満足感を満たすようなことばっかりやってきたのね。そろそろそのマインドセットを変えないと、と思っています。


ーー行政に対する信頼とか、政治に対する信頼が日本は低いですよね。信頼によってじゃないと民主主義って成り立たないと思うので、私も主権者教育に力を入れています。海外に比べると、日本の若者は、代表者に何か物事を託すという感覚が薄いというか。他の国では例えばクラスの代表者が何か訴えたら、LGBTQの子が使えるトイレが設置されたり、給食のルールが変わったり。その延長線上に政治家もいるんですよね。


玉木:自分事になってないですよね。自分の代理人たるエージェント、政治家、あるいは生徒会の役員とかいう感覚がないので、主従関係みたいになってしまう。統治する人を選んでいるのは被統治者、国民なので、国家という飛行機の操縦桿はみんなが少しずつ手を掛けていて、それにコミットして責任持ってやっていくんだと。そういうのは、ちっちゃい頃から親と一緒に投票所に行くだけでもいい主権者教育になると思うんだけど。





自民党との距離、野党共闘の行方は?


ーー最近、旧統一教会の法案を自民・公明と国民民主党が一緒に提出したり、自民党との距離が近づいているように見えますが何かあったんでしょうか。


玉木:統一教会に関しては、自民党・公明党の案は、文科省に言わないで黙ってやった不動産取引は無効にする、その対象は境内の建物と境内地という、宗教関連不動産に限定されていたんです。ただ、いろんなものを持っておられますから、宗教関連の不動産に限定せずにあらゆる不動産について黙ってやった場合は無効ですよと対象不動産の範囲を広げる修正をわれわれ国民民主党から言って、それを飲んでくれたので、合意をして一緒に法案提出に至ったということです。


ーーいま岸田総理は衆議院解散は考えていないと言っています。玉木さんは今後の選挙に向けた野党の連携について「野党共闘は飽きた」というような発言をしていました。


玉木:飽きたというか、野党の第1党と第2党があんなにけんかしまくってると、野党第3党のうちがどうこうしても、自公に向き合う大きな固まりは無理なんですね。そうはいっても、今の自公のままでいいのかというとそうじゃないので、今のこの状況で1個でも2個でもわれわれの思いや政策が実現するためにはどうするかを考えて、いろんな駆け引きも交渉もやらないといけない立場だと思います。


ーー国民民主党は今まで政策の実現を最優先に動いてきたと思いますが、野党が政権交代するためにまとまる様子も見えない中で、政権与党入りしたほうが政策の実現力が高まるとも思いますが、どうお考えですか?


玉木:そういう声はあります。それを求める支持者や団体があることも事実ですが、ただ一方で、現実的にそれが難しいのは、選挙制度が今は小選挙区制になっていますから、政権は協力するけど選挙はお互い戦いますとなると難しいですね。


ーーもし自公から政権入りを打診されたら受けますか。


玉木:政策が一致することと、選挙区調整がある程度できないと、議員や支援者の理解も得られないと思います。結局、使い捨てられるだけになっちゃうので。それは今の野党の皆さんと仮に連立政権を組む場合でも同じです。




今が日本外交の腕の見せどころ


ーー玉木さんは外務省時代、中近東・アフリカ局の中近東第1課に出向していたそうですが、パレスチナとイスラエルの情勢について、どう思っていますか?


玉木:ハマスの攻撃についてはテロだし、人質を取っていることについては早く解放しろと思っていますが、イスラエル側の攻撃も国際人道法に反するとか、戦争犯罪といわれるようなものが指摘されていることについては極めて憂慮しています。国際人道法など戦争にもルールがあるんだということを双方がきちんと守るべきで、そこが私は最低のラインだと思います。どちらの国も守っていない例が見受けられますからね。


ーー日本としてはどういう立場を取るのがいいと思いますか?


玉木:アメリカと日本は、国益がずれるんですね。アメリカは、シェールガスが出て以降、中東の原油に頼る度合いが劇的に減少している。日本は、日本の原油の中東依存度は先月、1970年代のオイルショックのときより高いんですよ。原発も動かなくなってるし。だから、アラブとの関係は重視せざるを得ない。


だから日本は中立的に入っていける数少ない国の一つだと思います。日本もオスロ合意になるような「東京合意」とかそういったことができる外交的な展開の余地はありますから、ここが日本外交の腕の見せどころだと思うし、当面は人道支援、難民支援を積極的に行っていくことは大事だと思いますね。


対談の動画は以下のリンクからご覧ください。




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