top of page
  • 執筆者の写真笑下村塾

なぜ、中田敦彦さんは政治を語り始めたのか。





中田敦彦×たかまつなな 政治本音対談

オリエンタルラジオ中田敦彦さんと、たかまつなながYouTubeで本音対談 第二弾です。前回、第一弾では、吉本騒動を冷静に分析していただき、なぜ中田さんは吉本を辞めないのか伺いました。


第二弾は、政治について徹底議論しました。中田敦彦さんのYouTubeチャンネルでは、「消費税増税・原発・日韓関係」など、これまで芸能人がタブーとして中々踏み込めなかった政治について一人で話しています。急な方向転換にも見えますが、ネットでは「リベラル論客として期待大」という意見もあります。中田さんの真の目的とは、一体なんなのでしょうか。  そして、中田さんが「テレビからYouTubeに活躍の場を移行した理由」もお聞きしました。中田さんの意見をYouTubeで伺い、了承をいただいた上で対談の内容も記事に致します。



若者に政治に興味を持ってもらうには、スターを輩出するしかない



たかまつ: 中田さんに、早速教えていただきたいことがあるんです。若者はどうやったら政治に興味を持つと思いますか? そのために私は選挙の大切さや政治、社会問題を身近に感じてもらえるように全国の学校に出張授業に行っています。それをお笑いを通してエンターテイナーとしてやりたかったんですけど、啓蒙家になり過ぎてしまっている。だから中田さんのYouTube大学を見た時にヒントがある気がしたんです。


中田: 若者に政治に興味を持ってもらうことにフォーカスするのであれば、政治の世界でスーパースターを一人つくることですよ。それは、フィギュアスケートとか他の世界でも同じですよ。羽生結弦という一人のスーパースターが生まれるとみんな憧れて盛り上がるでしょ。でもフィギュアスケートの良さや競技の面白さを画像や文章で伝えても誰も動かないんですよ。


たかまつ: スターの存在は大きいですよね。


なぜ木村拓哉は、公務員ばかり演じるのか

中田: 経済界でも同じです。日本経済が成長するのに必要なことは、日本の社長の中からイーロン・マスクやスティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグが出てくることなんですよ。 アメリカにはアイアンマンとかバットマンといった社長を主人公とした映画があるけど日本にはない。日本でヒーローというと警察官なんですよ。SMAPの木村拓哉さんが演じてきたのは実は全て公務員なんですよ。日本のドラマで数字取るのも公務員ということです。刑事、医者。


たかまつ: 政治家がヒーローの映画は思い出せないですね。


中田: 政治の世界で、ビジュアルが圧倒的によくて、めちゃくちゃオピニオンを強く発信できる若いリーダーを全面的にバックアップするのが、若者の政治への興味喚起のためにできることだと思います。 ただそれが正しいかどうかは別ですよ?いわゆる、ポピュリズムに陥るという問題もあります。もしかしたらそのバックアップしたヒーローが完全に闇堕ちして独裁者になるかもしれない。でも若い人に興味を持たせるってことだけを正解にするのであれば、僕はそれしか正攻法はないと思います。


政治のスター候補は、小泉進次郎?山本太郎?



たかまつ: 具体的に誰がヒーローになれそうでしょうか?


中田: 正しいかどうかは別にして考えると、ある側面で言ったら小泉進次郎さんでしょうね。またある側面なら山本太郎さんでしょうし。


たかまつ: 若者が政治に興味を持つきっかけに「ヒーローの登場」があるとして、他に私ができることはないですか?


中田: もちろんいっぱいあると思いますよ。スーパースターがいればあらゆるジャンルが盛り上がります。だから若手の芸人さんの番組を見る時も、面白いか面白くないかは見てないんですよ。ぱっと見ても、若くてかっこいいかどうかを見ているんです。


フォーマットに憧れている人は、カリスマ性がない

たかまつ: 最近は若くてかっこいい芸人さんはいましたか?


中田: 少ないですね。 基本的に今の若手の芸人さんの着ているスーツがダサいことが一番の問題だと思いますよ。


たかまつ: 全く思いつかなかった視点です


中田: なんであんなみんな一緒のべたっとした色のスーツ着て漫才やっているんだろうって思っちゃうんですよ。


たかまつ: きっと漫才に憧れてるんですよ。


中田: ですよね?つまり、フォーマットに憧れている人にはカリスマ性がないんですよ。


たかまつ: お笑いコンビのカミナリさんはどうですか?おしゃれに見えるために衣装にめちゃくちゃお金使っているって言ってましたよ?


中田: カミナリさんはファーストブレイクではないので、若者のためのヒーローという側面で考えると、ちょっと違うなと感じます。もうだいぶ前に知名度を得ていますからね。 若いというのは20代前半とかの話なんです。僕はそれこそ、最近ならYouTuberの人の方が断然おしゃれだし、かっこいいと思います。


たかまつ: アイドル性がありますもんね。


中田: そうですね。そのアイドル性は実力やキャリアを問われると非常に脆いものなんですよ。だからその脆さを糾弾されることはあるんですけど、業界の活性化という一点にフォーカスするのであれば、そのアイドル性があるかないかが全てだと僕は思っています。 だからアイドルがその業界から生まれなくなったら、その業界はおしまいなんですよ。それは男性でも女性でもいいんですよ。かっこいい、きれい。そういうオピニオンリーダーが政治の世界にも現われた時に変わるなと思っています。でもそれはレベルが低い話ですけどね。衆愚政治に陥る可能性もありますから。


中田さん!リベラル論客にならないんですか?


たかまつ: すごい私気になっていたことが一つあるんです。中田さんはYouTube大学で原発や消費税、憲法のことにも深く踏み込んでお話されてますよね。実際にネットニュースになったり「リベラル論客として期待できる」という声もあります。中田さんはその方向に舵を切っていくのかどのように考えいるんでしょうか?例えば、朝生からオファーが来たら受けますか?


中田: 受けませんね。つまらなそうだから。

たかまつ: でも、出演したら中田さんの評価は上がると思いますよ。


中田: 僕は、「リベラル論客として中田は一角のものだ」という評価はあまりいらないんですよ。僕の喋りが面白いとか、僕が紹介するものは面白いと思ってくれるお客さんが増えれば良いんです。 例えば原発について話しましたよね。あれも「原発の稼働は良いのか、悪いのか」を通り越して、「人類が直面しているエネルギー問題」として捉えると一つのストーリーになっているんです。デスノート的に見てますよ。


たかまつ: 原発問題をデスノート的に見る?どういうことですか?


原発に好奇心が注がれる訳


中田: 原発問題もデスノートも、「どうすべきか」という問題を超えているんです。物語が展開していく中で「人間は面白い」に帰着するところがあるんですよ。デスノートで言えばLとキラのどちらにも言い分があるし、デスノートが持つとんでもない力を人類がどう使うのか気になるじゃないですか。 原発もそうなんです。あのエネルギーを人類がどう使うのかに好奇心が刺激されるんですよ。まず、現状がとんでもない状況にあるじゃないですか。だって原子力発電所という「処分の仕方が分からない」ものが明らかに対処し切れていない状態にあるのに、今いろんなしがらみの中で再稼動や輸出の話が動いています。この問題は日本やアメリカだけじゃなくて、地球上が注目している問題ですよ。


たかまつ: もう世界中が影響を受ける問題ですよね。


中田: そうなんです。でも、僕とたかまつさんって、政治や社会問題に関する姿勢が大きく違ってるんですよ。僕はどちらかというと、もう少し志は低いんですよ。


たかまつ: 志が低い?どういうことでしょうか?YouTubeで政治についてお話されているのに。


中田: 知的好奇心が僕の柱にあるんですよ。なので、こういう本があって面白かった、だからしゃべっているに過ぎないです。絶対的に「こういった政治システムが正しい」という考えには至ってないんです。


たかまつ: 自分が面白いと思うから話しているということですか?


中田: そうです。例えば、今は投票率が上がっていないということが何を意味するのか理解されていないので、それをみんなに伝えることは僕の知的好奇心を満たすんです。僕の行動原理は知的好奇心なんですよね。



僕は「テレビで負けた」から、テレビから退場したんですよ

たかまつ: すごい意外だったことが、2年くらい前にあるんです。キングコングの西野さんとかと一緒に飲みに行かせていただいた時のことですね。その時に中田さんに「うらやましいです。テレビにもたくさん出ていらっしゃって」と話したら、中田さんは「サラリーマンみたいですよ。レギュラーもあるから海外旅行も行けないし」と話していたんです。すごい意外だったんですよね。


中田: そうですね。それはもうテレビがつまらないというよりは、「テレビの中でつまらないポジションしか僕がまだもらえていない」ということなんですよ。 レギュラーが何本あってもそれは僕の番組ではないし、僕の考える企画ではないわけですよね。あくまでも一つのパーツとしてしか僕はテレビには必要とされなかった。これは完全に僕の敗北なんですよ。やっぱり負けているゲームってつまらないじゃないですか。だから辞めるという非常にシンプルなゲームを続けている男なんですよね。


たかまつ: とても「テレビで負けている」なんて思いませんでした。


中田: 全然勝ってないんすよ。テレビですごい負けたなと思ったことがあるんです。2016年に『パーフェクトヒューマン』という楽曲が注目された影響で、ゴールデンタイムで「中田歴史塾」という特番をやらせてもらったんですよ。その時に数字で勝てなかったんですよ。


たかまつ: 視聴率ですか?


中田: そうです。どう勝てなかったのかというと、2~30代の男性がメインの視聴者だったんですけど、その層はテレビのメインターゲットじゃないんですよ。これって街で例えると巣鴨でお店を開いて女子高生には大人気という状況です。このお店は巣鴨の中で負けていますよね。だから僕はテレビから退場しないといけないと思ったんです。


たかまつ: 勝ってゲームを楽しむことにこだわっていたんですね。


中田: 僕は決して時代を切り取るパイオニアでもなければ、みんなを導くオピニオンリーダーでもないんですよね。ゲームジャンキーですよ。「ゲームに負けた。それはつまらない。勝てるゲームをする」を繰り返しているだけです。 だから、僕がYouTube大学とかでやっていることはエンターテインメントです。


最後に


武勇伝で売れ冠番組を持ち、その後PERFECT HUMANがヒットし紅白にも出場。そして、アパレルブランド「幸福洗脳」を作り、YouTube大学を始める。中田さんは、一体何をやりたい方なのか、ずっと疑問に思っていた。中田さんは好奇心のままに、ゲームジャンキーとして生きる。そして次々にそのゲームを制していることが分かった。恐ろしい才能だ。  中田さんほどの面白いコンテンツを作れるクリエイターであっても、テレビという狭い枠では表現か限られてしまう。YouTubeで誰もが発信できる時代は、素人だけではなく、有名な人にとっても大きなチャンスなのだと実感した。  もう言い訳ができない。すぐに発信できてしまう。だからこそ、すぐにトライすることが不可欠だと思った。私も時事YouTuberとして、芸能人が政治をしゃべるのがタブーという雰囲気を壊したい。そして、ネット上にはフェイクニュースが溢れる中、ファクトを提供し、議論がおきるようなことをしたい。政治が身近になりますようにこれからも頑張ります。

よろしければ、YouTube「たかまつななチャンネル」で、中田さんと対談していますので、こちらご覧ください。



関連記事はこちらから

・対談第一弾

・対談第三弾


bottom of page