こんにちは、スタッフのとがです。今回は9月19日に行われたABEMA Primeでの100分間にわたる自民党総裁選候補者討論会についてお伝えします。9人の候補者たちが一堂に会し、政策論争を繰り広げました。本当は全部お伝えしたいのですが、一部笑下村塾のテーマにしている主権者教育や学校内民主主義、たかまつの発言に絞ってお伝えします。
最低賃金は引き上げられるのか?首相候補に聞きました
最初に、たかまつななが尋ねたのは、最低賃金の引き上げについての各候補者の意見。特に、現在野党の間で議論されている「最低賃金を1,500円以上に引き上げる」という案に賛成か反対かについてです。
河野太郎さんは「明日1,500円にしろと言っても中小企業はそんなに払えず、つぶれてしまう」と指摘し、慎重な対応を求めました。その上で、5年程度の時間をかけて全国一律の最低賃金1,500円を目指し、中小企業が利益を上げながら実現できる環境を整える必要性を強調しました。これにより、地域間の賃金格差を解消し、物価の低い地域でも高い収入を得ることで生活水準を向上させることができると述べました。
小林鷹之さんは、最低賃金の引き上げを進めることに理解を示しつつも、中小企業の「稼ぐ力」を高めることの方が重要だと主張しました。日本の半導体産業再生の計画を策定した経験を挙げ、地方に大規模産業を誘致することで雇用を創出し、賃金の向上につながることを説明。中小企業が自力で賃金を上げられるような経済環境の整備を強調しました。
選択的夫婦別姓はアイデンティティの問題
選択的夫婦別姓に関する議論では、自身の経験を交えながら、名前に対するアイデンティティーの問題を指摘しました。「アンケートの結果次第で賛成か反対かの割合が変わるけれども、仮に2割の人が賛成しているとしても、その人たちは自分のアイデンティティーを訴えているんです」と伝え、多様な意見があることを強調しました。
さらに、自身の体験についても触れ、「私はまだ結婚していませんが、もし結婚しても旧姓にカッコ・高松と付けられるのは嫌です」と率直な思いを伝えましました。たかまつは、自分の名前をそのまま使いたいという意志や、特に会社の代表を務める立場として、名前が変わることで費用や手続きの負担が生じることを意見。自分自身のアイデンティティーを守り、負担なく名前を継続使用したいという願いを込めて、選択的夫婦別姓の重要性を訴えました。最後に、「結局、選びたくないから事実婚を選ぶ人も多いんですよ。だから、そのどちらかを選ぶという選択肢自体が、私はおかしいんじゃないかなと思います」と付け加えました。
人生の選択肢を奪う管理教育
林芳正さんは、現在の社会には「この道を進むべきだ」と選択肢を狭める圧力があることを指摘し、有名なロックバンドの曲『Walk This Way』(エアロスミス)に例えながら、社会通念に縛られた教育や進路選択の現状を批判しました。大学進学や受験といった「当たり前」とされる選択肢以外の道を広げる必要があり、さまざまな成功例を提示することで社会の意識を変えるべきだと主張しています。
それに対して、たかまつは「管理教育」に問題があるとし、学校内で生徒が自分たちで物事を決定する「学校内民主主義」の重要性を訴えました。ヨーロッパ諸国で法制化されている、生徒が学校の意思決定や予算執行に参画できるシステムを日本でも導入すべきだと提案しました。これにより、生徒たちが信頼され、社会を変える力を持つことができるという考えを述べました。
林さんは「それはアリだと思いますよ」と賛意を示し、自身の父親が学校でストライキを行った経験や、生徒会で校則を変更した経験を振り返りつつ、現行制度でも生徒が主体的に校則を変えることが可能であることを強調しました。またさらに推進するために法制化についても、前向きに評価しました。
さらに、小泉進次郎さんは、福島県のふたば未来学園での授業の経験を挙げ、生徒たちが自ら学校のルールを変える取り組みが広がっていることを紹介しました。彼は、若者が自分らしい生き方を見つけるために、選択肢を増やすことの重要性を強調し、社会全体で「キャリアの学び直し」や「やり直し」ができる環境を整える必要性を述べました。
被選挙権年齢は18歳に引き下げるべきか
たかまつは、被選挙権年齢の18歳への引き下げについて、長い間議論されているにもかかわらず、具体的な進展が見られないことに対して不満を伝えました。2016年に選挙権年齢が18歳に引き下げられた際から、被選挙権年齢も同様に引き下げるべきだという議論が続いてきました。しかし、これに明確に反対している政党はほとんどないにもかかわらず、実現していないことに対して疑問を呈しています。
「なぜ実行されないのか」と問いかけ、その理由として、若者の政策が優先順位として低く扱われていることを挙げていました。若者の声が政治に反映されにくく、被選挙権年齢引き下げが進まないことが、若者の政策や意見が軽視されている証拠だと訴えました。
河野太郎さんは、被選挙権年齢の引き下げに関する議論に対して「真面目にこの議論が取り上げられたことがない」と指摘し、25歳(衆議院)、30歳(参議院)という被選挙権年齢を下げるべきだと主張しています。18歳で成人として認められる以上、立候補や投票の権利も18歳から与えるのが当然であり、最終的に選ぶかどうかは有権者が判断すれば良いと述べています。出演者全員が賛同し、反対意見はでませんでした。
兼近さんは、被選挙権年齢の引き下げに関して「コーチング」の重要性を強調しました。若者にただ選択肢を与えるだけではなく、サポートやアドバイスを提供することで、彼らが自分の力を発揮できる環境を整える必要があると述べました。「無理やり道をつくるのではなく、支えてあげる」ことが重要であり、多様なコーチングがあれば、18歳からでも十分に政治や社会で活躍できると考えています。
これに対して、林芳正さんは、若者が支援や指導を受ける機会が減少している現状を指摘しました。兄弟や近所のコミュニティで自然に行われていた「コーチング」が、現代では少なくなっていると述べ、若者同士が支え合いながら成長する機会が失われていることに危機感を示しました。彼は、自身の子ども時代を振り返りながら、地域の活動や遊びを通じて自然に学びや支え合いが行われていた時代との違いを話しました。
インターネット投票を導入すべきか?
選挙におけるインターネット投票の導入を求め、その賛否を候補者に問いました。河野太郎さん、林芳正さん、加藤勝信さん、石破茂さんが賛成の意を示し、インターネット投票に前向きな姿勢を見せました。
河野太郎さんは、現在100万人いる在外日本人の投票率がわずか2%であることを問題視し、まずは在外日本人からオンライン投票を導入すべきだと言います。デジタル庁がエストニアのオンライン投票システムを学んでいることを紹介し、成功すれば国内導入への道筋が見えると述べました。
高市早苗さんも過去に総務大臣としてデジタル投票の導入を検討した経験があると語り、在外公館から遠く離れて住む日本人にとって実証実験が進められたと説明しました。しかし、日本のサイバーセキュリティ技術がまだ十分でないことを懸念し、投票結果がサイバー攻撃によって操作されるリスクがあると警告しました。また、自民党の総裁選挙の際にもネット投票の話があったが、偽の投票アプリが出現する恐れがあることから、慎重な対応を求めました。技術的な問題が解決し、セキュリティが万全になれば、ネット投票は便利だとも認めています。
これに対し、河野さんは、エストニアが隣国ロシアからのサイバー攻撃を日常的に受けているにもかかわらず、選挙システムが問題なく運用されていることを挙げ、日本でも技術的には実現可能であると強調しました。本人確認についても、マイナンバーカードが普及している現状を踏まえ、大きな障害はないと述べました。
デジタル民主主義をやってください!
たかまつは、政治参加の方法が選挙だけではないことを強調し、子供たちが自分たちの意見を政治家に伝えたり、社会問題について積極的に行動することの重要性を伝えました。特にデジタル民主主義の可能性について触れ、台湾で導入されている「vTaiwan」というプラットフォームを例に挙げました。
台湾の高校生がプラスチックストローの問題を訴え、5,000以上の「いいね」を獲得することで政府の審議対象となり、実際に規制が進められた事例を紹介。こうした仕組みを日本でも導入することで、若者が政治に参加し、社会に影響を与えることができると主張し、自民党にその意向があるのかを石破茂さんに問いかけました。
石破茂さんは「それはやるべきでしょう」と明確に賛意を示し、政治参加の重要性について述べました。選挙のときだけ政治に関心を持つのではなく、日常的に参加し、実際に社会が変わるという実感を持ってもらうことが大切だと述べました。若者が「どうせ世の中は変わらない」と感じている現状を変え、社会参加を通じて社会を変えていくことができるという実感を持ってもらうべきだと強調しました。
また、高市早苗さんも「それはいいですね」と賛意を示し、デジタル民主主義の可能性に前向きな姿勢を見せました。
最終的に、たかまつが「vTaiwanのようなデジタル民主主義の導入に賛成か反対か」を問いかけると、全員が賛成の意を示しました。
これに対して、たかまつは「じゃ、やってください!笑」と力強く呼びかけ、全員の賛意が確認されました。
もっと働けるようにすべき?もっと短縮すべき?
たかまつは、働く時間の短縮を企業に任せることに懸念を示し、政治の力で解決すべきだと主張しました。労働時間の短縮がもたらす社会的な利点として、フランスの事例を挙げ、出生率の向上や余暇の増加、出会いや子育て・介護の時間の確保など、多様な選択肢が生まれると伝えました。たかまつは、企業に一方的に負担を押し付けるのではなく、所定労働時間を規制する法整備や働き方改革関連法の整備が必要だと主張し、残業時間の上限規制を緩和するような提案には「時代に逆行している」と厳しく批判しました。
これに対し、小泉進次郎さんは、「働き方改革を逆行させるつもりはない」と述べつつ、一部の人々が「もう少し働きたい」「稼ぎたい」と望んでいることも事実だと指摘しました。農業の例を引き合いに出し、天候に左右される仕事では柔軟な労働時間管理が求められることを説明しました。そして、健康を第一に考えながらも、多様な働き方を認めるための制度を、企業と国が協力して作っていくことの重要性を強調しました。
たかまつは、これに対して「それは強者の意見が通りやすい社会だ」と反論。健康や働く環境を守るためには、しっかりとした規制が必要であり、経営者側の理論だけで進めることに警鐘を鳴らしました。
さらに小泉さんは、農業経営法人の例を挙げ、従来の家族経営型農業からサラリーマン型の農家へとシフトしている現状を説明しました。特定の時期には長時間労働が必要になるため、画一的な規制では対応しきれないとし、多様な働き方を認める柔軟な制度設計が求められると述べました。
たかまつが、フランスのように所定労働時間を減らす流れについて問いかけると、小泉さんは「生産性を高めるためには必要なことだ」と同意しつつも、「よりフルタイムで働く中でも多様な働き方を希望する人がいる」との意見を述べ、国と企業の連携によって、個々のニーズに対応できる制度を構築することが大切だと強調しました。
笑下村塾は仲間を募集しています
スタッフの私もこの収録は一緒にスタジオに行きました。現場の他の議員さんや自民党幹部の方々や秘書の方々と一緒にモニタールームで見ていました。インターネット上とはまた異なる彼ら彼女らの討論の反応を見ていると、ライブ感のある現場でした。なかなかできない経験だと思っておりまして、興味のある方にはぜひ応募頂きたいです!私たちの活動に興味があり、社会に良い影響を与えたいと思っている方々の協力がもっとあればもっといろんなことができるなと思っています。このようにレポートを作ったり、たかまつのメディア出演のサポートをして下さる方等、ご応募をお待ちしています。
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