こんにちは。スタッフの阪田です。
今回は、山形県遊佐町の「少年議会」を取材しました。山形県は投票率がトップクラスです。県北西部の遊佐町では、20年前から若者で構成される少年議会というものがあります。少年議会には若者による直接選挙によって選ばれた少年市長や少年議員がいます。少年議会は、年間45万円の予算内で政策を話し合い実行していきます。
少年議会の様子、参加する若者と遊佐町教育委員会の方にインタビューをしました。
「町を見る目が変わった」少年議会に参加する意味とは?【山形県遊佐町】
少年町長の高校3年生佐藤さん、少年監査の高校3年生菅原さんに少年議会についてお話を伺いました。
佐藤さんは中学1年生のとき「入ってみようかな」と興味本位で思ったことがきっかけです。菅原さんのきっかけは、地域活性化に関心があり、遊佐町を活性化してみたいと思ったことです。
遊佐町では、車を持っていない人の交通の便が悪いことや街灯が少ないことで暗いなど不便なところがあります。過去の少年議会では、JRにダイヤの改正の要望を出して検討を促したり、町に要望して街灯の設置したりしました。
少年町長や少年議員がやりたいことをもとに政策を作るだけでなく、選挙の時に中高生にアンケートを行い、遊佐町の若者が何を望んでいるのか調査します。
過去には、ミュージックフェスティバルの案がアンケートに複数来ており、議会の建物を使い開催しました。遊佐町で音楽系の活動を行っている人を呼んだり、歌いたい人を募ったりしました。
菅原さんは、町民体育館の米~ちゃん(遊佐イメージキャラクター)が描かれている階段アートが印象的と話してくれました。
投票に行くということについて、少年議会に参加するお二人に意見を聞きました。
佐藤さんは「若者の投票率が少ないと若者に不利、若い人に有利な若い人も優遇してもらえるような政策を町や国にしてもらいたい」と話します。
菅原さんは「誰かと一緒に協力したら社会を変えられるのではないか」と話します。
遊佐町教育委員会教育課社会教育係の風間さんに、遊佐町の政治参加について伺いました。
風間さんが中学1年生のときに少年議会がはじまりました。少年議会で投票を経験したことにより、選挙が難しいものではなく身近なものなんだという感覚を持ったといいます。少年町長の佐藤さんも少年議会に参加して「嫌でも政治に興味を持つようになった」といいます。
少年議会をはじめた頃の町長は日本青年館の会長や山形青年団の代表を経験しており、若者の意見を反映させないといけないと考えていました。また、若者が実際に議場で町の議員に対して意見をする機会は設けられていましたが、言いっぱなしで終わっていました。
少年議会を設置したことで、活動に緊張感があると風間さんはいいます。町の45万円という公金で活動しているため、少年議員は責任感を持って活動しています。少年議員は実際に議員が持つバッチも持っています。
少年議会は、教育委員会が中心となって運営していますが、第1期から大切にしていることは変わりません。「大人の意見は言わない。学生の意見は尊重する」ということです。
風間さんは少年議会の意義について、学生のうちに民主主義を経験する貴重な機会になっているといいます。
笑下村塾では主権者教育についてイギリスなどで取材をしています。海外の若者議会では気候変動問題や被選挙権年齢の引き下げ、メンタルヘルスなど若者の利害に関係するテーマを扱います。一方、遊佐町の少年議会では生活していく中での小さな課題を扱います。少年議会は少年議会ができることを扱います。
日本では若者の政治参加がまだ活発ではありません。海外の事例だけでなく、遊佐町の事例は驚いた人が多いのではないでしょうか。今回の動画を通して、政治参加や主権者教育について考えるきっかけになれば、と思います。
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