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生徒会が、校長と対等に話すために ――スウェーデンの中高生の全国組織を、19歳の理事に聞いた

執筆者の写真: 笑下村塾
笑下村塾
18 時間前
読了時間: 6分

■「校長も先生も、私たちに指示はできない」

ストックホルムで、Elevernas Riksförbund(全国生徒連盟)の理事に会った。夕食を食べながら、2時間近く話を聞いた。


中学校の高学年と高校の生徒団体が加盟する、全国組織だ。1994年に、もっと民主的な学校をつくりたいと考えた生徒たち自身の手で設立された。生徒会や生徒組合が加盟している。


やっていることは、大きく2つある。ひとつは、加盟する生徒会・生徒組合を強くすること。運営のしかたや生徒の権利についての講座を開き、教員向けの講座もある。加盟団体が申請できる基金もあって、生徒が自分たちのアイデアを実行するのに使われる。もうひとつが、国レベルでの働きかけだ。政治家に会い、討論に出て、生徒を代表して意見を言う。


同じテーブルだった理事の二人は19歳。高校を卒業したばかりで、いまは大学で政策科学と医療工学を学んでいる。小学校からの同級生で、高校も同じだった。組織に関わって4年になる。



最初に驚いたのは、高校の生徒組合の位置づけだった。「私たちの生徒組合は、独立した法人です。組織番号を持っていて、非営利団体として位置づけられている」つまり、学校の一部ではない。だから校長も教師も、指示ができない。「先生たちのほうが言うんです。『生徒組合は学校から独立しているから、私たちは何もできない』と」もちろん、学校でイベントをやるときには先生と相談する。ただ、教師が生徒組合をコントロールしようとすることは、慣習としてありえないのだという。「受け入れられないことだから」


■スウェーデンには「生徒会」と「生徒組合」がある

ここで言葉の話を挟む。


日本語だと「生徒会」の一語で済んでしまうが、スウェーデン語には elevråd と elevkår という別の言葉がある。使われ方は必ずしも一律ではないが、組織のつくりに違いがある。


elevråd は、クラスごとに選ばれた代表が集まって、全体で生徒を代表する。学校の組織との結びつきが強いことが多い。


elevkår は、入りたい生徒が自分で入会する。会員名簿があり、会員が総会で理事を選ぶ。取材した理事によれば、高校の生徒組合は組織番号を持つ独立した団体として活動していることが多い。


この記事では、前者を「生徒会」、後者を「生徒組合」と書く。


■法律に書かれた「影響を与える権利」


制度を見ておく。


スウェーデンの学校教育法は、生徒に教育への影響力を与えることを求めている。生徒とその団体が影響力に関して行う活動を、学校は支援し、やりやすくしなければならない。


ただし、生徒会や生徒組合を置くこと自体は、義務ではない。だから、ある学校にはあり、ない学校にはない。理事によれば、首都か地方か、教師が生徒の声を取り入れたいと思っているかどうかによっても違うという。


学校庁の資料には、こう書かれている。学校が、生徒の組織化の中身を決めてはならない。何をやるかは、生徒自身が決める。


一方で、生徒が選ぶ権利を法律で保障されているものもある。生徒の安全代表だ。中学の高学年では学年ごとに2人、高校ではプログラムごとに2人を選ぶ権利が、生徒にある。学校の環境に問題がないかを見て、会議に出る。


根拠は学校教育法ではなく、労働環境法だ。生徒を、労働環境法上、一定の範囲で働く人に準じて扱っている。選ぶのは生徒自身で、校長ではない。校長の仕事は、生徒たちに「あなたたちにその権利がある」と知らせることだ。


■全校生徒が加入した生徒組合


一人は、高校時代に生徒組合の会長をしていた。

その組合の規約には、「全校生徒を会員とする」と書かれていた。ところが加入は任意なので、全員に加入してもらうのは簡単ではない。歴代の役員は、一度もそれを達成したことがなかった。


加入率100%を達成したのは、自分たちが初めてだという。やったことは、加入を魅力的にすることだった。会費は無料。イベントの割引をつける。15人のチームで、全員に声をかけた。


もうひとつ作ったのが、「学校環境グループ」だ。全クラスの生徒代表と、校長が入る。テーマは、生徒のストレスを減らすこと。学校の食事。校舎を物理的に居心地よくすること。


「生徒組合には、生徒の生活をよくする民主的な責任があると思っています。パーティーや卒業式を企画するためだけの組織ではありません」


「昔の会長は、生徒組合を十分に生かせていなかったんです。その次の会長が変えはじめ、自分はその取り組みを引き継ぎ、さらに広げました」


■警察に呼ばれて、大人だけのテーブルへ

もう一人からは、こんな話が出た。

地元の警察から招待が来た。学校と、学校の環境について話してほしい。夕食の席だった。


その後、研究者や書き手が集まって、スウェーデンの警察のあり方を議論する場にも呼ばれた。


「テーブルを囲んだなかで、私が一番若かった。すごく怖かったです」それでも、と言う。


「私は生徒です。生徒でいることがどういうことか、学校の環境が実際どうなのかは、私が一番よく知っています」


■ユニセフにも「リバースメンター」があった

こちらの活動を紹介したときのことだ。高校生が首長のメンターになる「高校生リバースメンター」の話をすると、すぐに返ってきた。


「ユニセフ・スウェーデンに、ヤングメンターがあります。若い人が、上の立場の人のメンターになる。まったく同じ仕組みです」


調べてみると、募集要項が出ていた。若手メンターは、ユニセフ・スウェーデンの経営陣の管理職1人につき、そのメンターを務める。自分の視点から、こどもの権利に関する仕事を支える。理事会の活動に加わる機会もある。


■理事は選挙で選ばれる

大人の側が、生徒の声に関心があるとは限らない。「生徒が教育を支配しようとしている」と受け取られることがある。


「政治家は、12歳よりも15歳や18歳の話のほうを、よく聞くと思います」


だから理事は、現役の高校生に限られていない。卒業生も入る。「その方が政治家と交渉しやすい」という。ただし、理事会のメンバーは総会で選挙によって選ばれる。政治家へのアドボカシー活動も多く行っている。


これは、仕組みではなく、随時アポをとって行っている。


一方で、課題も聞いた。


二人によれば、パンデミック前は、政治に関心を持ち、生徒会や生徒組合に参加する生徒がずっと多かった。遠隔授業のあと、参加への関心は大きく下がった。生徒団体だけでなく若者団体全般が苦しんでいるが、少しずつ戻ってきている段階だという。


■独立しているからこそ、交渉できる

生徒組合は、学校の中の係や組織ではない。会員が理事を選び、自分たちで活動内容を決める。学校側の人事とは別に、組織として継続できる。生徒組合の運営そのものが、熱心な先生がいるかどうかに左右されにくい。


日本では、生徒会活動は学校教育の中に位置づけられている。教師の適切な指導の下で、生徒が自発的・自主的に活動することが求められている。


私が高校生と話す中でも、先生の意向が強いと聞く。日本の生徒会は、先生や学校から独立しているとは言いにくいのが実態ではないか。


規約に「全校生徒を会員とする」と書いてあるのに、歴代の役員も達成できていなかった。それを自分たちの代でやったと話す。大人が決めた目標ではない。生徒が自分たちで決めてやったのだ。


独立しているからこそ、学校と強く交渉できる。


Elevernas Riksförbund(全国生徒連盟)公式サイト 




※団体名 Elevernas Riksförbund に定訳はなく、「全国生徒連盟」は本記事の訳である。※この記事は取材をもとに、AIを使用しています。

 
 
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