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北欧最大の若者政治組織を取材。スウェーデンで若者に一番人気の政党のユース政党とは?

執筆者の写真: 笑下村塾
笑下村塾
17 時間前
読了時間: 4分

選挙の4日前、ストックホルムの穏健党(中道右派)本部を訪ねた。スウェーデンには「ユース政党」と呼ばれる組織がある。日本の政党の青年局とは、かなり成り立ちが違う。今回訪ねたのは、そのなかで北欧最大の政治青年組織だ。まず数字から。2022年の総選挙で、穏健党の得票率は19.1%。全国では第3党だ。ところが18〜21歳の初投票層に限ると26%で1位になる。選挙権のない13〜18歳が参加する「学校選挙」でも27%でトップ。全国では30%を取る社会民主党が、ここでは16%まで落ちる。なぜ若い層でこれだけ違う結果が出るのか。その背景にある組織を見に行った。


そもそも「ユース政党」とは

スウェーデンでは、国会に議席を持つ政党がすべて独自の青年組織を持っている。社会民主党にはSSU、緑の党にも左翼党にもそれぞれある。会員は30歳未満。日本の青年局と違うのは、党の下部組織ではなく、独立したパートナー組織として位置づけられている点だ。穏健党のそれがMUF(穏健青年連盟)だ。会員は2万人を超え、北欧最大。2021年からの4年で96%増えている。この数字は、連立を組んでいるキリスト教民主党や自由党の党員数そのものより多い。


「僕たちは連立の第5政党だ、なんて冗談も言います」


案内してくれたのはMUF国際委員会のフィリップ・ハルベリさん、22歳。13歳でMUFの役職に就き、18歳でリディンゲ市の市議会議員に当選している。MUFでの活動は完全な無給だ。一方でリディンゲ市の市議会議員を務めた経験があり、今回はストックホルム県議会選挙の候補者でもある。市議のときの報酬は月150ユーロほど。


「これでは生活できない。楽しいから、社会に何か提供したいからやっているんです」



意見を「聞いてもらう」のではなく、票を持つ

一番印象に残ったのは組織の設計だった。穏健党の党大会には、全国の地区連盟から選ばれた代議員217人が集まる。


そこで動議が審議され、綱領も党の人事も票で決まる。その217人のうち約40人、18.5%がMUFの会員だ。他の代議員とまったく同じ一票を持っている。分科会にも席がある。


直近では教育委員会に7人、統合委員会に7人、法と秩序委員会に4人。政策が実際に練られる場所に、若い世代がまとまって座っている。結果として、穏健党の国会議員68人のうち17人が35歳未満だ。


スライドの一文が印象的だった。


「党内での影響力は、声の大きさではなく票で測られる」


現内閣の閣僚5人が、MUFの元全国会長。クリステション首相もその一人だ。若い頃にここで活動した人が、そのまま政治の中枢に上がっていく道ができている。


党と同じ意見のときも、違うときも

もうひとつ興味深かったのは、党と違う意見を持つことを前提に組織が動いている点だった。


掲げている原則は「Stand with. Stand against.(共に立つ。対して立つ。)」。青年組織は党のパートナーであり、同時に良心でもある、という位置づけだ。


同じ大臣と、あるときは国会で共同記者会見を開いて政策を打ち出し、別のときには公共放送の番組で異なる立場から議論する。どちらも同じ組織の仕事として、並べて紹介していた。


「もちろん党の仕事は誇りに思っています。でも、まだやるべきことがあると思うときは、そう言わないといけない」



彼ら自身が挙げた課題

うまくいっている話ばかりではなかった。ハルベリさんは自分たちの課題も率直に挙げた。


ひとつは、若い女性の支持が十分に取れていないこと。若年層の男女差はスウェーデンでも記録的な大きさになっていて、これは党全体の課題でもあるという。組織の原則にも「長年過少代表だった若い女性を中心に基盤を広げる」と明記されていた。


もうひとつは定着だ。

会員数に対して、実際に活動しているのは1000〜2000人ほどだという。


「一番難しいのは入ってもらうことじゃなく、続けてもらうことです」


「あいつは悪人だから信用するな」とは言わない


説明の途中で、ハルベリさんが自分から補足したことがある。


「日本ではどうか分かりませんが」と前置きして、こう言った。


「社会民主党と討論するとき、彼らが悪い社会を望んでいるとは思いません。彼らも、みんなにとって最善のものを望んでいる。ただ、そこへ至る道について僕は同意しないだけです」「討論の場でも、僕たちはお互いに友好的でいようとします。示したいのはイデオロギーの違いであって、『あいつは悪人だから信用するな』ではない。スウェーデンの政治はそういう風には動いていません」



もちろん、ときには厳しい言葉を使う人もいる、とも付け加えていた。それでも全体としては、政治的に対立していても信頼はある、と彼は言った。


若者に票と議席を渡す仕組みも、この土台の上に成り立っているのだと思う。ハルベリさんは最後に念を押した。


「これはレシピじゃありません。国も政党も違うので、使えるものだけ持って帰ってください」


若者の声を「聞く」で終わらせず、若者が意思決定の場にいる設計と、考えが違っても相手を敵と呼ばずに議論を続ける姿勢は、日本にしっかり持ち帰りたい。


(取材:2026年9月9日、ストックホルム)

※この記事は取材をもとに、AIを使用しています。

 
 
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