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  • 執筆者の写真笑下村塾

18禁記事!? 性教育YouTuberシオリーヌさんとAVを見ながら性の課題を語る

新型コロナウイルス感染症に伴う一斉休校期間中、『中高生から「妊娠したかもしれない」との相談が増えている』というニュースが話題となりました。

課題の一つとして、そもそも日本は海外に比べて“学校での性教育が遅れている”と指摘する専門家もいます。

性行為の具体的な方法を知る手段としては、一般的にアダルトビデオ(以下AV)がありますが、以前のインタビューさせていただいたAV男優のしみけん曰く、AVは”ファンタジー”とのこと。


では私たちはどうやって性に関する正しく、実用的な知識を得ればいいのでしょうか?


そこで今回は、性教育YouTuberとして活動する助産師のシオリーヌさんこと大貫詩織さんに、笑下村塾のたかまつななが、アダルトビデオ(以下AV)を見ながら、実際の性行為との違いや、性行為をするときの注意点を伺いました。


(下記記事には一部具体的な性的表現や含まれます。)


学校教育では、一番大事な性の知識を伝えられない



たかまつ:助産師のシオリーヌさんが、性教育YouTuberとして活動を始めたきっかけは?


シオリーヌ:助産師として様々な性の悩みを聞いていると、学校だと教えてもらえないものの、実際には知っていないと後で困るような性の知識が沢山あることを知り、そういった性に関する発信を行うようになりました。

例えば、学校だと避妊のためにコンドームっていうのが大事だよ、ということまでは教えられるものの、どうやって使うか、どこに売ってるのか、いくらぐらいで買えるのか、未成年でも買えるのか、という実際に子どもたちが気になっている部分に関して教えられていません。私が学校に講演に行ってもそういう話はしないで欲しいと先生に言われ、一番大事なところをオブラートで包んで話してしまったという不全感が残りました。

たかまつさんも、具体的な妊娠の仕組みすら教えられていない状態で、“望まない妊娠はするな”と言われても困りますよね?


たかまつ:本当にそうだと思います!先生!助けてください!私は中高女子校だったのですが、性感染症のことばかりやって、性行為に対する恐怖心がありました。“キスするだけで感染するような危ないこと”、“人間の堕落の極み”みたいなイメージになっちゃったんです。最近はようやく人を愛するために必要なことだと思い始めたのですが...


シオリーヌ:それはまずい!


たかまつ:ただ性のことを学ぼうにも、教科書だと避妊の知識ばかり。一方AVは実際に出ている男優のしみけんさん曰く“AVはファンタジー”だそうで、一体何からどう学べばいいのかわからなくて困っているんです。なので今日はぜひ一緒にAVを見ながら、“ファンタジー”の箇所を指摘してください!私がいつバージンを卒業することになってもいいように...


シオリーヌ:わかりました。いっしょに見ていきましょう!


人生初!経費でSODの会員登録



<平日昼間から真剣にAVを漁る女子2人>


たかまつ:パソコンを触るインターン生にバレないように、シークレットウィンドウで見ていきます。(笑) わー。裸の女の人ばっかり...どれにしよう。


シオリーヌ:ははは。変な設定が沢山あるので気をつけてくださいね。せめてカップル設定にしましょうか。


たかまつ:これなんてどうでしょう?


『マジックミラー号

カップルNTR 彼氏までミラー越し30cmの距離で密着泡マッサージ体験!健気で一途な彼女でさえ、股間の擦れる快感に他人ち○ぽを拒めない!?』


シオリーヌ:マジックミラー号は定番ですし、いいですね。それにしましょう。


たかまつ:会社のアドレスで登録します!会社の経費でSODの動画を購入しました!(笑)


マジックミラー号で密着泡マッサージ体験する動画、いざ観賞!




<動画スタート>


たかまつ:「海水浴に来たカップルをナンパして、女性側に男性向けマッサージの仕方をマジックミラー号の中で教えてあげる」という企画みたいですね。これ、本当にカップルに声をかけていくんじゃないですよね?!


シオリーヌ:実際にやってるのではなく、演技です。でも本当にこの場でナンパされたカップルだと勘違いする人はいるかもしれないですね。“素人”という表現も書かれているのですが、あくまで“設定”です。


<マジックミラー号は外からは中が見れないけれど、中からは外が見える。マッサージのやり方を講師に教えられる彼女からは車の外にいる彼氏が見えているけど、彼氏からは彼女が見れていない>


ついに男性器に泡を...“嫌よ嫌よも好きのうち”では済まされない


<動画を見進める2人>


たかまつ:女の子の胸が大きく映し出されました!「無理無理」と言いながら男性に泡を付けています。・・・ついに胸を男性の身体に押し付けるマッサージを始めました!


シオリーヌ:こんなマッサージ講習をすんなり受け入れるカップル普通いないですよね...AVでよくある、「最初は女性側にその気がなくても、身体が触れ合っていくうちにスイッチが入って性行為が進めていく」というパターンですね。


たかまつ:ついにマッサージ講師が男性のパンツをおろして、男性器に泡をつけています!女の子は男性器を見ないようにして、“さすがにできない”と嫌がっています。


シオリーヌ:こういうのが“嫌よ嫌よも好きのうち”という言葉を生み出し、実際の女性もこういう反応をしてくれるという勘違いをうんでいくのかもしれないですね。


たかまつ:女性が男性の上にまたがって揺れています。表情が険しくなってきました!

・・・・わ!水着を脱ぎ始めました!外にいる彼氏を見ています。・・・もう私はここから何を学べばいいのやら・・・全然興奮しないなあ。


シオリーヌ:爆笑


たかまつ:あれ、男性器が女性器の中に入りましたよね?コンドーム着けました?


シオリーヌ:コンドームをつけるシーンはカットされているんでしょうね。うっかり入っちゃったみたいな描き方をしていますよね。


たかまつ:なるほど。あれ、そもそも性行為をする前は、性的同意をとらなきゃいけないと習ったのですが、これ、同意を取ってないですよね?女性側も首を振って嫌がってるのに!!!


シオリーヌ:はい。なのでここはファンタジーポイントです。AVは撮影の前に同意を得ているとは思いますが、本来であれば、嫌がっているときには続けるべきではありません。嫌だと伝えているのに性行為を続けるのは、性犯罪になります。


お腹に射精!?これって普通?





たかまつ:ですよね。あれ、これは「射精」ですか?お腹の上にしていますよね。普通のことなんですか?


シオリーヌ:いえ、普通とは思わなくていいです。そもそもコンドームをしていれば膣内でしても問題ないです。ただAVのなかでは、精液を女性のお腹や顔にかける描写が多いです。“汚してやった”という占有感が見てる人を興奮させるからでしょう。しかし、演出であって、誰にでもやっていいわけではないです。実際のパートナーにも実践する男性がいるようなのですが、女性側からは“本当は嫌だった”という声を沢山聞いたことがあります。


<観賞終了>


「今夜仲良しする?」カップル“性的同意”をとろう




たかまつ:改めて、AVで気をつけたらいいファンタジー要素はなんですか?


シオリーヌ:まず一つ目は、「性行為の同意をとっていない」ところです。AVだと撮影前に出演者に同意を得ているので大丈夫ですが、動画内にはそのシーンは映されていないです。しかし、AVのように女性が嫌がっていても最後まで性行為をして大丈夫、というのを現実世界でやってしまうと、性暴力や性犯罪に繋がるので気をつけましょう。性的同意を得ることは重要です。


たかまつ:性的同意はどうやって得るのがいいんですか?


シオリーヌ:AVの場合、なあなあな雰囲気のまま徐々に性行為に持ち込もうとしていますが、”なあなあ”ではいけません。「私は性的な行為をしたいけど、あなたは?」という感じで確認するのがマナーですね。


たかまつ:でもそういうのを聞くことには抵抗がある人もいますよね?スマートな聞き方はありますか?


シオリーヌ:カップル間の信頼関係などによってそれぞれだと思います。コミュニケーションをどれだけ取れているかにもよると思うのですが、気軽に聞ける人も沢山いると思います。「今日する?」だけとか、「今夜仲良しする?」みたいなカップル間でしか通じない言葉に置き換えている人もいます。

性行為をしたくない場合は「今日は眠いからやだ」など気軽に断ってもいいと思います。


映ってなくても、AVではコンドームは着けている!




シオリーヌ:二つ目は、「コンドームをつけるシーンが写っていない」ところ。着けるシーンがカットされたうえに、モザイクで隠されていてわからないようになっていますが、コンドームは付けています。コンドームの着け方動画で詳しく解説しているのでよかったら見てみてください。


※YouTubeたかまつななチャンネルでもAV男優のしみけんさんにコンドームの付け方を教えていただきました。


大人のおもちゃ、実は取手しか使っていないことも


三つ目は「激しいアクション・オーバーなアクションが多いこと」相手が苦しい体勢やオーバーなアクションには注意が必要です。例えば膣の中で指を激しく出し入れしているシーンがあるっても、モザイクがかかっているだけで実際はそこまでしていないこともあります。

AVを真似して実際に激しくすると、男性の爪で膣の中を傷つけてしまい血が出てしまうこともあります。AV男優のしみけんさん曰く、アダルトグッツを激しく出し入れしているシーンでも、実際は“取手部分しか使っていない”ことさえあるそうです。


たかまつ:そうなんですね。でも勘違いする人は多いですよね。「モザイクをかけて大幅に演技をしています」って書いて欲しいですよ!


シオリーヌ:女性によってもどういう刺激を心地よいと思うかは全く違うと思います。なかにはAVのようなオーバーなものが好きな人もいます。一番危ないのは、全ての女性がそういった刺激を求めていると勘違いしてしまうことですね。


たかまつ:海外だと、どうやったら性行為が楽しくなるかカップル間で話すと聞いたことがあります。日本だとそういうのがないって言いますが...


シオリーヌ:そうですね。どう触れて欲しい、どうしてほしいというのをちゃんと伝えるべきです。


たかまつ:それはいつ言うのがいいんですか?


シオリーヌ:する前でも、してる最中でも、した後でもいつでもいいと思います。途中で言うのだと水を刺すようで悪いと思う人は、終わった後に“フィードバック大会”をすることも多いようです。”ここがよかった、悪かった、今度はもっとこうして欲しい”みたいな。希望を伝えたり、相手の希望を聞いてみるといったコミュニケーションはとても大事です。


たかまつ:なるほど。


痴漢や近親相姦...ありえない設定に注意!




シオリーヌ:四つ目は、AVだと「設定そのものがおかしい」ということです。一番普通であるはずの「カップルもの」がサイトの一番下のほうにでてきましたよね?AVだと実際にはありえない男女の組み合わせが多いことにも注意です。


たかまつ:たしかに、今ジャンルを見てみると「痴漢」とか「近親相姦」がありますよ!?しかも痴漢のビデオ、明らかに高校生の制服を着ています!!


シオリーヌ:実際にAVに出ている女性は女子高生ではなく制服を着ている“成人女性”なのです。でもこういった動画を見ていると“痴漢されて実は喜ぶ女子高生がいる”という誤解が生じてしまうのではという指摘もあります。現実世界ではできないことをフィクションとしてやっているという認識が大事です。





女性向けAVは安心して学べます


たかまつ:じゃあ結局私は何から学べばいいのでしょうか?


シオリーヌ:女性向けのAVはいいと思います。女性が安心して楽しめる性行為を描いているので、性的同意をとっているシーン、コンドームを着けるシーンがあったりします。

シルクラボというサイトなんかがいいと思います。


たかまつ:(シルクラボを検索)こっちの動画は映画みたいですね。「甘い目覚め」とかタイトルもすごい。


シオリーヌ:ですね。女性向けAVのほうが、実際の性行為に近いので参考になると思います。その他のおすすめのサイトとしては

・私シオリーヌのYouTubeチャンネル

・TENGAヘルスケアがやっているサイト「セイシル」

・正しい性の知識と判断力を育む活動をするNPOピルコンのYouTubeチャンネル


などがあります!


たかまつ:私も見て勉強してみようと思います!今日はありがとうございました。




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