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  • 執筆者の写真笑下村塾

SDGsとジェンダーギャップ


笑下村塾代表の相川美菜子です。この度、2019年11月10日、板橋宿区立クリーンホールで開催された「第20回 いたばし男女平等フォーラム」にて「SDGsにみる日本のジェンダーギャップ」というテーマで講演をさせていただきました。

初のテーマなのでちょっとドキドキ。正直最初はお受けするかも迷いました。

ただ笑下村塾は役員であるたかまつななと私、2人ともが女性というちょっと珍しい会社。自分たちにしか伝えられない経験もあると思いますし、今後はジェンダーについてもっと課題発信していきたいと思っていたので、貴重なチャンスだと思いお話させていただきました。

今回はその講演会でのお話を一部抜粋して書き留めておこうと思います。 


「女性経営者=大変」という偏見

そもそも私がなぜジェンダーギャップという課題に関心をもったか。

いくつかありますが、ここ最近で私が一番それを感じるのは、


”女性経営者って大変じゃない?”


と聞かれるときです。


”男性経営者って大変じゃない?”


この質問はあまり聞かないですよね。

やはり世間はまだまだ、「女性が会社経営をする=大変」というネガティブなイメージを持っているということを感じますし、自分のような存在がマイノリティであるとも思います。


でも女性が働くこと、もちろん人の上に立つことは、男性と比較して必ずしも苦労が多いとは限りません。(もちろん経営するうえで苦労は超超超たくさんありますが、男性だって同じだと思うので)


ではなぜ多くの人がこういった価値観をもっているのか?「SDGs」を軸に世界とジェンダーギャップに関する比較をしながら日本の現状を見ていきましょう。



日本ではSDGs達成に程遠い「ジェンダー平等」


笑下村塾ではSDGsの企業研修をおこなったり、月に1度一般向けSDGs講座をおこなっておりますが、その研修のなかでも。目標の1つである「ゴール5.ジェンダー平等を実現しよう」日本が最も達成に遠いと言われているものの1つということをお伝えしています。


緑にいくほど良い評価で、赤が低い評価。

ご覧のとおり「ジェンダー平等」は真っ赤かです...


課題は「女性議員が少なさ」


ではなぜ、日本ではジェンダー平等が低いと言われてしまうのか?

その大きな答えとなるのが「女性議員の少なさ」です。

2019年に発表された2018年版「議会のおける女性議員割合」によると、日本は193カ国中165位と順位は低く、さらにG20諸国では最下位となっています。

ちなみに評価項目とは関係ないですが、日本の歴代総理大臣にも女性はゼロですよね。


わずか中華民国の名誉主席を務めた宋慶齢(そう けいれい)主席(2週間程度ですが)、インドネシアの大統領(01年-04年)、韓国のパククネ大統領(13年-17年)、台湾の蔡英文(さい えいぶん)総統 (16年-)など、諸外国には女性のリーダーが誕生しているにも関わらず日本は未だに誕生していません。(アメリカもそうか・・・)




海外での解決事例紹介

では、海外では女性議員を増やすためにどのような取り組みをしているのでしょう。


まず、フランスをはじめ80カ国以上で取り入れられている「クォーター制」があります。

これは、選挙の候補者数や、議員自体の女性の数を予め決めてしまう制度です。フランスにおいては、この割合を違反した場合、政党助成金が減額されるなどといった厳しい罰則もあるそう。


さらにフランスでは、「男女ペア」で選挙に立候補するというユニークな仕組みまであります。


フランス政府サイト「interieur.gouv.fr」より

また、アメリカやイギリスでは女性候補者への金銭的支援や、女性議員による学習機会の提供を行い、オランダではオランダ全土から政治家としての素質を持つ女性をスカウトするなどして、女性議員を増やそうとしています。

つまり、日本より女性の議員が多い多くの国は自然に増えてきたわけではなく、制度を整えたり、政党の努力によって増えてきているということです。


デンマークはクオーター制を撤廃

 一方、1915年にこのクオーター制を導入したデンマークではすでに目標を達成したという理由からクオーター制を廃止しました。2019年3月の時点だと、デンマークにおける女性議員割合は37.4%で日本の13.8%と比べ、約3倍です。<出典・参照:IPU(Inter-Parliamentary Union)


それを可能にしているのは、父親の育児休暇の強制的な取得を定めた法律をはじめ、学校教育や家庭内で男女平等が徹底されているなど。(なんとデンマーク最大の玩具チェーン店BRの最新カタログ表紙にはバービー人形で遊ぶ男の子と、電車のおもちゃで遊ぶ女の子の写真だということ。子供の頃から性別にとらわれることなく、自分で選択をすることができる!)

先駆的であった制度が人々の意識を変え、現代では真の男女平等だったり、女性議員を選ぶことはごく普通の行動に変わったということでしょう。つまり制度や教育が人々の意識を変えていったと言えます。

(参考文献「幸せってなんだっけ?世界一幸福な国での「ヒュッゲ」な1年」ヘレン・ラッセル)



ジェンダーギャップ解消とは?

笑下村塾でも”教育”によって多くの人の価値観を変えていきたいと思っています。

とはいえ、ジェンダーギャップを生まない価値観とはどんなものでしょうか。


「女性だから、男性だから◯◯をしなきゃいけない」とか、

”男性だから、女性だから、△△はやらなくても許される”

ーーこういった考え方は、少しずつなくなってきました。


そこから現在は、男女それぞれがかつてやるとみなされていたことに追加して、異性がやるとされていたこともやるのが当たり前という風潮があります。



つまり、女性なら「子育てしながら働くワーママになる」、男性なら「仕事しながら子育てもするイクメンになる」ということです。


とはいえ、”女性活躍”、”女性の社会進出”というワードが声高にさけばれていますが、「会社で働くこと=活躍、社会進出」というのも違うと思います。

専業主婦の方、パートやボランティアをしている方も十分活躍していらっしゃいますし、そもそも既に社会に出ています。笑


子育てや介護などもあるなか、働くことが正義みたいな風潮は違うと思います。

ジェンダーギャップ解消とは、女性が男性化し必要以上に働くことでもないし、全ての男性が育児や家事をしなければいけないわけでもないです。

男女に関係なくチャレンジする機会をきちんと与えられたうえで、それぞれ自分自身がやりたいこと、自分だからできるアプローチの方法で、誰かや何かのために行動できればいい。



つまり、ジェンダー平等は、”女性だから・男性だから”という枠組みを取り払い、”わたしだから・あなただから”できること、ありのままの自分でやりたいことを選べ、時には挑戦することが可能な社会のことなのかなと、この講座を通して私自身も再認識することができました。

 ちなみに今回の講座の最後には、ジャンダーギャップ解消のために今日から起こすアクションについて、参加者全員で声に出し宣言してもらう時間を設けました。私も宣言しましたよ!内容は秘密ですが...!!!


笑下村塾ではお笑い芸人さんと一緒に社会課題や主権者教育を楽しく学べるイベントや情報発信を行っています。

最近ではSDGsに力をいれており、企業研修や出前授業随時お受けしておりますのでよろしければ下記ご覧くださいませ。



<一般向けSDGsイベント>

2019年12月20日 (金) 19:30 - 21:00@東新宿 https://20191220shoukasonjuku.peatix.com/

2020年1月31日 (金) 19:30 - 21:00@東新宿 https://20200131shoukasonjuku.peatix.com/

2020年2月27日 (金) 19:30 - 21:00@東新宿 https://20200227shoukasonjuku.peatix.com/


<SDGs企業研修ご案内>


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