「立憲との合流は間違いではなかった」中道・斉藤鉄夫顧問が語る、自公連立解消の真相と中道の未来
- 笑下村塾

- 5 日前
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長年続いた自民党との連立を解消し、立憲民主党と合流して結党された「中道改革連合」。決断の背景にはどのような思いがあったのでしょうか。そして衆院選での厳しい結果をどう受け止め、これからどのような社会を目指していこうとしているのでしょうか。顧問の斉藤鉄夫さんに、社会起業家のたかまつななが率直な思いを聞きました。
※この記事は、YouTubeチャンネル『たかまつななのSocial Action!』のために2026年2月27日に収録した内容を元に作成しました。

厳しい選挙結果と、それでも残った「中道の火種」
ーー 選挙お疲れ様でした。結果をどのように受け止めていらっしゃいますか?
斉藤: 選挙期間中は結構手応えを感じていました。ですので、現場で感じた実感と実際の選挙結果のギャップの大きさにしばらくは茫然自失していました。私は今回12回目の選挙で、これまで中選挙区の選挙も戦ってきて、小選挙区候補としても戦ってきた。いろいろな選挙を経験したのですが、やはり選挙というのを甘く見ていたなと。選挙とい
うのは怖いなと改めて実感しているところです。
ーー 共同代表という立場で選挙に挑まれて、精神的な面ではいかがでしたか?
斉藤: 正直、開票日当日から2〜3日間はノックダウン状態でした。しかし、比例では1043万票、自民党のちょうど半分です。議席では6倍以上の差がありますが、得票数ではあの突風、大風が吹いた自民党の半分は国民の皆さんから票を頂いたと。そう思い直して、私たちが中道の塊を作ろうとしたこと自体は間違いではなかったと再確認をしました。選挙結果は確かに厳しい結果でしたが、「火種」は残った。この火種をしっかり育てていこうと考えています。
26年続いた自公連立解消と、立憲と手を組んだ理由
ーー この1年ぐらい、本当に政治が激動だったと感じます。歴史的にみても政治の転換点になったと思います。公明党が自民党との連立を離脱して、敵対してきた立憲民主党と手を組む。私は本当にびっくりしました。大きな決断の背景には何があったのでしょうか。
斉藤: 2つ挙げたいと思います。1つは自民党との26年続いた協力関係を解消したということです。これはやはり政治と金の問題で、どうしても私たちには妥協できないところがあった。公明党の原点は清潔な政治。そういう面で、自民党さんに「ここをこういうふうに解決していきましょう」「国民から失った信頼をこのように回復していきましょう」「そのためにはこの一歩を踏み出してください」ということについてご了解が得られなかったので、連立を離脱したということ。
2つ目として、小さな政党としての公明党の生き方として、分断と対立を煽るような状況の中で、そうではなくて包摂、協調ーこれをわれわれは中道政治と呼んでいますがー、私たちが主力にはならないけれども中道を固めていく軸になる、もしくは接着剤になる、そういう働きをしていこうと、連立を離脱したときに方向を固めました。そのことでいろいろな党の方とも話し合いをしてきました。

ーー 公明党が立憲民主党と一緒になるというよりは、斉藤さんを中心に集まれる政党が他にもあったら結集したかったということでしょうか。
斉藤: われわれが中心になるということまでは、われわれにそんなに力があるわけじゃないので考えませんでしたけど、政策を中心に、と。その政策というのは、いつでも自民党に代わって政権を担当する能力があると国民の皆さんに安心していただけるような、つまり外交安全保障では日米基軸で、然るべき防衛力はきちんと備えていく。平和安全法制は合憲である。またエネルギーも原子力発電を認める。また憲法改正についても積極的にこれを議論していく。
自民党とは政党が違うので目指す方向は違うのですが、自民党と共通の基盤を持った上で、いつでも自民党に代わって政権を担うことができる。中道のそういう塊、そのための5つの政策。これに対して立憲、野田さんたちが積極的に応じてきていただいたということだと思います。
ーー 中道というのはそもそも人間主義というような意味が含まれていると思いますが、改めて、中道改革連合はどのようなことを理念にした政党ですか?
斉藤: 今、分断と対立を煽ってそれを自分の政治エネルギーにするという手法がまかり通っていく中で、全体を包み込むという意味もあります、中道、中の道、で異なる意見の中で熟議で合意形成を図っていく。当然その中には「協調」であり「包摂」。いろいろな多様性を認め合って、違いを認め合った上で合意形成を図っていくという政治手法。そういう意味での中道。
もう1つは、目的が人間の幸せ、人生の充実というところにある。強い国家、強い経済、これはもちろん大切です。強い国家、強い経済がなければ人間の幸せも達成できませんが、人間の幸せそのものが目的であって、強い国家、強い経済そのものが目的ではない。そこを取り違えてはいけない。こういったところが、右派や左派の人たちとは違うところかと思っています。
「5爺」の反省と、若者へのアプローチ不足
ーー 選挙で浸透しきらなかったところ、あるいは、最大の反省点はどこですか?
斉藤: 1つは、われわれ中道という言葉を選んだのですが、比較的お年を召した方には中道の意味を分かっていただいたところがありますが、若い人たちになかなか聞き慣れない言葉だということで、今ひとつ浸透しなかったです。 それからもう1つ、時間がなかったこともあって、私と野田さんが、各党から集まってくる、旗の下に結集してくるという形は取ったのですが、結果的に公明党と立憲民主党の方々がそれぞれを離党して集まってくるという形になりましたので、代表を決めるときに公明党の代表であった私と、立憲民主党の代表であった野田さんが共同代表ということで、私たち2人が顔になる。高齢の男性が看板になったものですから、これも若い人たちにワッと浸透していく妨げになったのではないかという意見をたくさん聞いています。それは率直に受け止めなければいけないと思っています。
ーー 急な解散でしたからね。
斉藤: 今回、流行った言葉が「5爺」。野田さんと私は「爺2」とか言われて。最初に新しいロゴを示したときに、安住さん、馬淵さん、公明党の西田幹事長と5人並んで「5爺」と言われて。そこは、明らかにわれわれの失敗だったかもしれません。
われわれの政策はジェンダーの問題も選択的夫婦別姓の問題も、ある意味では先端を行っている政策になっているんです。ただ、見せ方については、反省してしっかりやっていきたいと思います。

ーー ところで、斉藤さんは普段SNSはあまりされていないですか?
斉藤: スタッフが一生懸命やってくれていまして。ずっと党の代表でしたので、自分自身で発信するよりは、周りのスタッフがいろいろ発信してくれていた。今も秘書が写真を撮ってくれていて、ある意味で任せきりでした。
ーー今求められている党首のあり方は、今までの政治の姿からはだいぶ変わってきていると思います。メディアで1分以内にそれを話せるか、30秒で政策を訴えられるか、など、SNSをうまく使いこなしていくことが求められているように思います。
斉藤: こんなこと言っていいのかな。玉木さんとはいろいろ親交がありまして。玉木さんと話したときに、彼は、ものすごく研究していますね。SNSの世界で努力していますよ。例えば、車から降りるときの降り方って、彼は5パターンぐらいやってみて、どういう場合にどんな反応があるかをちゃんと調べているという話を彼から直接聞いたことがあります。
ーー高市さんも相当努力されているように見えますね。
斉藤: あの努力を見ると、俺にはとてもできないなと思ったりして。叶わないなと正直思うことはありますけれども。
ーー 今回、若者政策についてはどんなことを訴えましたか?
斉藤: 若者政策の1つとして、奨学金減税を掲げました。これは一昨年以来、若い人たちからいろいろな政策提言を頂こうと努力をしてきた中で、実は一番多かったのが「奨学金を借りやすくなったのはいいけど、社会人になったときに借金を抱えてスタートする。そのことが非常に重荷だ」と。「ぜひ奨学金返済をサポートするような政策をしてほしい」と、実に十数万の若い方々から声があって、それを政策に掲げたんです。そういう意味で若い人たちの声を聞くシステムはあるはずなんですが、今回の選挙を見ると、それが活かされてこなかったというのは反省しています。
公明党の理念を引き継ぎ、現実的な安全保障を担う
ーー私は今回、中道に投票しました。安全保障外交が現実的で、内政ではリベラルとか人権をしっかり保障していくという政党が意外とないので、そこは本当に期待をしています。
斉藤: 中道はいろいろな党から離党して来られる方がいらっしゃいますが、われわれ公明党出身の議員から言えば、公明党が大事にしてきた理念をしっかり受け継いでいく政党にしていきたいと思っています。公明党が受け継いできた理念というのは、例えば女性に対しても、女性の一生の幸せ、健康を考えたときのいろいろな政策提言等、これまでもたくさんしているんですね。全国に3000人近い地方議員がいますが、1000人近く、3分の1は女性です。 国政でも女性の比率を増やさなくてはいけないと思っていますが、子育てしながら、家庭を持ちながら、これは男性も一緒ですが、国政に出られるような、そういう制度にして女性比率を増やしていこうと。こういう政策そのものは公明党は伝統的に強くやってきました。そういうものはしっかり中道の中に引き継いで頑張りたいと思います。
ーー 最後にメッセージをお願いします。
斉藤: 多くの方の多様性を認め、それを包摂する。そして協調しながら1つの意見に合意形成を図っていくというのが、中道の1つの大きな大事な考え方だと思います。そういう塊が日本の政治のど真ん中にあるということは、たとえ政権を担っていても、また担わないときであっても大変大切なことだと思っておりまして、その塊をこれから大きくしていきたいと思っております。 これからも皆様方にいろいろな政策提言をさせていただき、またいろいろな政策の提案も頂き、皆様方に信頼していただける中道政党にしていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
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