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  • 執筆者の写真笑下村塾

たかまつなながフェリス女学院大学で講演「平和の作るために私たちができること」

2022年12月9日フェリス女学院大学で「国際交流学部創設25周年記念講演会」が開催され、たまかつななが講演を行った。「平和を作るために私たちができること」をテーマに、アクティビティも交えて学生と一緒に平和について考えた。



講演会は対面とオンラインのハイブリッド形式で開催。たかまつの他にお笑い芸人のエルシャラカーニの二人も参加し、会を盛り上げた。冒頭は○×クイズで場を和ませる。「食品用ラップは元々軍事技術として開発された」「現在子ども兵の数は1万人以下である」など4問が出題され、「当たり前」と思っていることの裏側に思い込みがあったり、争いや平和の種子があることに気付かされる内容となっていた。全問正解した学生も多く平和に対する意識の高さが伺えた。子どもの兵についてたかまつは、「25万人以上いると言われている。ウガンダのポールさんは15歳のときに誘拐され、1年半反政府軍の兵士として利用された。抵抗する子どもたちは殺害され、兵士になりたいと答えるまで殴り続けられた」というエピソードも紹介した。

講演会はエルシャラカーニとの掛け合いも交えて、賑やかに進行した。たかまつは学生たちに、ウクライナで取材した次のような話しを語った。


■平和教育をアップデートすべき理由

22年の8月にウクライナで取材したのですが、目的は平和学習のアップデートです。戦争経験者が高齢化を迎えており、これからは体験談を聞くことができなくなります。そこで平和教育の教材をつくるためにウクライナへ出かけました。後半では平和を作るために私たちができることを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。


今回、「どうすれば侵攻を防げたと思うか」を一番のメインテーマに取材をしました。市民30人ぐらいにインタビューをしましたが、いろいろな意見がありました。兵器をもっと買うべき、ロシアとの国境に壁を作るべきだった、もっと安全保障に力を入れるべきだったとか、NATOに入っておくべきだった、あとウクライナが経済的に発展して戦争しにくいような状況を作ればよかったというような声が聞こえてきました。若い人が積極的に発言しているのがとても印象的でした。


もうひとつ驚いたことは、日本が心配されていたということです。ウクライナの兵士にインタビューしたとき、日本はロシアと隣り合わせているということでとても心配されました。「それでは日本に対してアドバイスは?」と尋ねると「気付いてからだと遅い」とみんなに言われました。そのような意見を聞いて、平和を守るためには、備える必要があると感じました。日本もどこかの国に攻め込まれてしまう可能性があるわけで、何をすれば侵攻を防げるのかという視点は、安全保障を考える上でも大事だと思いました。


日本にとって差し迫った危険は台湾有事ですが、台湾有事を起こさないことも、平和のためには大事です。日本は戦争に巻き込まれる危機がある。今だからこそ新しい平和学習、つまり“祈る平和”から、“作る平和”へ変えていかなければなりません。平和を作るために。防衛力だけでなく、経済発展、メディアの姿勢、民主主義への参加、いろいろな方法があると思います。


日本人はウクライナに対して、対岸の火事を思っている人もいると思います。経済的にもそれほど豊かな国でもないし、軍事力も大きな国じゃない。国際社会が支えないとウクライナの人たちは困ってしまうわけです。私たちが支えるということが大事なんです。寄付でもいいし、関心を持ち続けることが大事だと思います。

最後にエルシャラカーニのセイワさんが「今のたかまつさんの話しを聞いて、従来の平和教育だけでは足りないなと感じました。情報が溢れているわけですから、選別力が大事になってくるのかな、と。自分で考える力を付けるっていうことが大事だろうなと、思いました」と感想を述べた。


■平和のために一人一人ができることを考える

ウクライナでの取材の話の後は写真を使ったクイズ。クイズを通して身近なところにも平和を作るための工夫やできる行動があることを知る。


例えばフェイクニュースだ。クイズに使ったのは1990年のイラクによるクウェート侵攻後のナイラ証言。「この少女どんな嘘をついた?」というクイズの後、たかまつは次のように説明した。


ナイラさんというこの少女が、敵国の兵士が働く病院で、私たちの国の赤ちゃんを殺害したという嘘をついたんです。実はこの少女の告白が世界の同情を集めて湾岸戦争の発端になりました。後ほど、支援を集めるための嘘の情報であると判明しましたが、後戻りできなくなってしまっていました。


つまり、かわいそうだからとか、有名人が言っているから本当のことだろうとか、簡単に考えて情報を拡散してしまうことが、戦争を拡大させる可能性があるということも知って欲しいと思います。あるいは、戦争をする国の思惑に惑わされて、戦争に参加しているかもしれないんです。


次のクイズは東京駅に設けられた、ある部屋について。「何のための部屋?」というクイズの後次のように続けた。


この部屋は、実は祈祷室なんです。イスラム教徒の方が旅行中でもお祈りできる環境が必要だということで、2017年に設置されました。こういうふうに世界中の宗教や文化を理解することが平和に繋がります。


それを受けて、エルシャラカーニのセイワさんが次のようなエピソードを披露した。

「エルシャラカーニというコンビ名ですけど、僕の姉の旦那さんがエジプト人でモハメド・エルシャラカーニという名前なんですが、そこからとったんです。イスラム教徒で、日本に来て一緒に観光しているときも、お祈りの時間が決まっていて、その時になるとお祈りを始めるんです」


争いっていうのは宗教とか文化とか、環境の違いから生まれてしまうことが多いんですよね。例えばクラスの友達がカレーを素手で食べていたらビックリしたり、からかっらりしてしまう人もいると思いませんか?逆に私たちがおにぎりや寿司を手で食べていて、笑いものにされたら嫌ですよね。自分の国が認められない、馬鹿にされるっていうことはとてもつらいと思います。なので異文化等の無理解というのがいじめ、差別の根底にあるので、差別が増長し、戦争に繋がることも。なので争いを生まないためにも、世界中のいろいろな人の考えを知るということは、争いの予防になり、平和にも繋がります。


次にスマホのリサイクルを例にあげて、消費も平和に繋がると、次のように語った。

「スマホには紛争鉱物が使われているため、いらなくなったらスマホをリサイクルに出して、流通量を減らそうとしているんです。平和を作るためには、私たちの買い物も大事。人権に配慮した企業を選べば、児童労働がなくなるかもしれない。このように私たちが人権や社会、環境に配慮をした買い物をすることをエシカル消費と言います。私たちがエシカル消費をするということで、社会を変えることもできます。


■個人ができることも多い

平和を作るためにできることはいっぱいあります。個人レベルでは、メディアリテラシーを身につけたり、選挙に行ったり、寄付したり、署名したり、エシカル消費をしたり、歴史文化を学んだり、戦争の悲惨さを伝えることも大事です。

国だと争いの原因とかを解決するルールを作ったり、防衛力、外交力、経済力をつけたりすることも必要かもしれません。平和教育も大事だし、難民の支援をすることもできます。

戦争や災害で被害の大きい国を援助したり、ルールを制定して仲裁をするということも大切だし、たとえば南アフリカのアパルトヘイトに経済制裁をかけたりすることも必要になってくるかもしれません。


■平和を作るためにやりたいこと宣言

身近なところにもできることがあることを知った後、実際に平和を作るために何をすべきか考えるワークシートに取り組んだ。その名も「平和を作るためにやりたいこと宣言」。身近な行動を考えることができるように工夫されている。


「日本の中で防衛費を増やすべきか、もしくは減らすべきかを自分なりに考えようと思います。なぜなら防衛費が変動することで、国同士の関係に影響があると思うからです。具体的に今日から平和のために、自分が今まで知らなかったんですけど、防衛費をどういうふうに調整すると国同士の関係がどういうふうに動くのかを考えたいと思います。もう一つそれを踏まえて選挙に行こうとも思います。そのためには各政党がどういう政策を打ち出しているのかをしっかりと調べて、投票する政党を考える際の材料にしようと思います。」


「私が平和を作るためにしたいことは、エシカル消費です。なぜなら、不平等な貿易が行われているからです。具体的に今日から平和のために、ものが作られる背景を考えるようにしようと思いました。」


学生たちの意識の変化が感じられる発表が次々された。また、発表とは別に講義後、学生が寄せた感想の一部を紹介する。


「確かに日本人は、平和の大切さなどを学ぶ授業はあるが、平和のために自分たちができることを知らないと感じた。 またメディアやSNSを通じて私たちも 「情報戦」 に参加しているという意識はなかった。平和のために一個人ができることは限られると思うが、自身の行動が戦争に加担してしまうという意識を忘れず、 宗教や異文化を知って多様な考え方を理解することで平和に貢献したいと思った」

「これまで平和や戦争、 異文化について授業で学んできたが、講演を聞いて事実を知っただけに過ぎなかったのかもしれないと思った。理解の先に何があるのか、何をすべきかを考えて行動に移すことが平和を作ることだと思う。経済支援やエシカル消費、 異文化を理解した空間の設置、 物事の伝達など、生活の中に1つでも取り入れることで平和を作ることができるのではないか。 一人一人の意識で変えられると思う」

「一番印象的だったのが、「平和を祈るのではなく、 平和を作る」という言葉だった。今までも歴史文化を学んだり、戦争にまつわる話を聞いたり映画を見たり、戦争の写真展などに行ったりして「平和」につ いて触れる機会はあったが、そこまでで満足してしまい、 「平和を作る」というところまで行けなかった。戦争を繰り返さないために歴史を 学んできているのに、 必要なことができていなかったと気づかされた。たかまつさんが用意したワークシートに取り組んでみると、 今日から「平和を作る」ためにできることがたくさんあること を実感した。色々な案を思いついてそれを他の人と共有することで考えがどんどん広ま り、深まっていくことが面白かった。「平和を作る」ためにできることは無限大なのだと感じた」


今回の講演会を通して、学生にいろいろな気づきがあり行動を起こそうとしていることがわかる。たかまつは、今後も中高や大学で講演会を開催する予定だ。


参考:東洋経済記事

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