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選ばれた学生9人と、専門職5人。40万人を代表するスウェーデンの学生組織

執筆者の写真: 笑下村塾
笑下村塾
16 時間前
読了時間: 5分

スウェーデンのすべての大学には学生組合がある。大学の意思決定に学生が参加することは法律で定められていて、理事会に代表を送るのは、この大学ごとの組合だ。大学の理事会には、学生代表が最低3人いなければならないと決められている。


その学生組合が全国で集まってつくった連合が、SFS(スウェーデン全国学生組合連合)。60余りの組合が加盟し、40万人以上の学生を代表している。設立は1921年で、105年の歴史がある。SFS自身は大学に代表を送らない。活動するのは国と国際レベルだけで、内容は政策提言に絞られている。


ストックホルムにある事務所を訪ね、会長のハンプス・ハウグランドさん(25)と、副会長のヴィクトル・ホルムストレムさん(27)に話を聞いた。



■法律ができる前に、意見を求められる

スウェーデンには、法案をつくる前に政府が関係団体へ意見を求める手続き「レミス」がある。政府の調査で案がまとまった段階に加えて、正式な提案ができた段階でも、通常はもう一度意見を求められる。回答はすべて公開され、招かれていない市民も自分から出せる。


取材時は、専門教員の養成課程についての照会が届いていた。期限は12月7日、送り先は82の個人・団体。自治体、大学、教員の労働組合と並んで、学生を代表する立場でSFSにも意見が求められていた。


「人々が、自分の所属する団体や自分の代表が何を考えているかを、政府の考えと比べられるようにするためです」とハンプスさんは説明する。


さらに、学生への支援金を担う政府機関の理事に2人を推薦し、教育大臣がそのうち1人を選ぶ権限も持つ。大学教育の質を評価する国の審査にも、SFSが指名した学生が毎年入る。


■政治家のアポは自分で取る。断られることもある

議員や大臣と定期的に会う制度はないという。「話したいことがあるときにミーティングを予約します。承諾されることもあるし、『選挙の最中で時間がない』と言われることもある」


年内に会えなかった相手とは、毎年初夏にゴットランド島で開かれる政治週間アルメダーレンで会う。今年はスウェーデン民主党を除く、すべての政党の代表か青年組織と接触した。


歴代の会長には、1952年から53年にかけて務めたオロフ・パルメがいる。のちに首相になった人物だ。「多くの議員が、以前この部屋に来たことがあります。あるいはSFSの理事会にいた」。議員にOBが多いことが、交渉のしやすさにつながっているという。


成果も聞いた。前回の政府予算で学生組合への補助金が3分の1削られたが、「いくつもの政党に、補助金を戻すと約束させました。削減した当の政党までもが『あれは誤りだった、戻す』と言っています」。政府の調査に「学生にとっての学問の自由」という論点を持ち込み、調査の範囲を変えさせたこともある。


■選ばれた学生9人を、専門職5人が支える

理事は9人。全員が学生で、加盟組合の代表による選挙で選ばれる。報酬を受けて常勤で働くのは会長と副会長の2人だけで、残る7人は無報酬だ。ハンプスさんとヴィクトルさんは、2人とも大学を1年休学して働いている。



それとは別に、雇われた職員が5人いる。政策調査、広報とメディア対応、総務や会計、加盟組合の支援。全員フルタイムで、学生ではない。プロの大人がバックヤードを支えている。


選ばれた学生9人と、専門職5人。この体制で40万人分の交渉をしている。


■総会の議席は349。国会と同じ数

SFSの最高議決機関は、年に一度、4日間かけて開かれる総会だ。議席は349。スウェーデン議会とまったく同じ数で、かつては「学生議会」と呼ばれていたという。議席は代表する学生数に比例して配られ、今年は最大の組合が30議席ほど、最小の組合が1議席だった。


「ただ、349人が全員来るわけではありません。費用の問題もあるので、割り当てより少なく送る組合が多い」。委任投票もできる。


議論のやり方が独特だった。大きな部屋に、理事会の提案も加盟組合の動議も、すべて印刷して壁に貼り出す。各組合から来た代表は、関心のある提案のところまで歩いて行って、その場で議論する。加盟組合のおよそ4割が支持を表明した動議が、本会議に上がる。


本会議での討論の前にこの場を設けることで、小さな組合も大きな組合と同じだけの場所を占められるのだという。


総会と理事会の文書は、すべて公開されている。ウェブサイトで2018年まで遡ることができ、それ以前もメールで請求できる。


今年春の総会では、国内最大の組合が出した提案に、最も小さく最も新しい加盟団体が反対し、他を巻き込んで打ち負かしたという。


「ある加盟団体が2票で、別の加盟団体が30票を持っていたとしても、同じだけの注意と敬意に値します」


■2010年に学生の加入義務が廃止

2010年まで、公立大学の学生は全員、学生組合に加入して会費を払う義務があった。その義務が廃止され、組合の収入は落ちた。


「学生が会費を払うことは義務ではありません。でも、すべての学生を代表することは組合の義務です」


学生組合というのは法令上の資格で、大学が特定の団体に与える。資格はおよそ3年ごとに見直され、今の組合より多くの会員を集めた団体が名乗り出れば入れ替わる。「学生をどれだけうまく代表しているかは関係ありません。会員数だけで決まります」。ウプサラ大学は170年間ひとつの組合だったが、今は5つに分かれている。


■「尊厳ある学生生活」を訴える

削減された補助金を元に戻すこと。住宅や生活費の負担が重い状況を変え、「尊厳ある学生生活」を実現すること。9月1日までに学生向け住宅を得られなかった学生は、10人中9人にのぼるという。


教員が関与する授業時間は、欧州でもかなり短い。国の予算配分の仕組みをつくった際には週9時間が最低限とされたが、法律上の下限はなく、実際には達していないこともある。SFSは、すべての学生に週15時間を保障するよう求めている。



ここ3年の目標は、高等教育の財政制度の改革と、学問の自由を憲法で保護させること。スウェーデンの憲法は現在、学問の自由を保護していない。

一方で、全国組織であるSFS自身には法的な保護がない。「私たちは、加盟団体が私たちの存在を望んでいるから存在しているんです」。政府からの補助金も「政府の善意による」ものだという。

それでも複数の政党に補助金の復活を約束させ、政府調査の範囲を変えてきた。


「私たちには確かに影響力があります。自分でも不思議ですが」

SFS(スウェーデン全国学生組合連合)


公式サイト

取材:2026年9月2日、ストックホルム



※制度に関する記述は、取材内容に加え、高等教育法およびSFSの公開資料を参照した。

※この記事は取材をもとに、AIを使用しています。

 
 
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