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執筆者の写真笑下村塾

SHELLYさんが今、性教育を叫ぶ理由「みんながワーって怒らないと」

タレントとしてバラエティからニュース番組まで幅広く活躍しているSHELLY(シェリー)さん。その場の空気に流されず、自分の言葉で率直に話す姿が共感を呼んでいます。昨年12月には、YouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」を開設。テーマは、若い人たちに伝えたい「性」についてのこと。なぜ「性教育」に力を入れるのか。YouTube「たかまつななチャンネル」で話を聞きました。



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性教育のイベントをやるのが夢

――SHELLYさん、めちゃくちゃ憧れていて最近のご活躍も拝見しています。去年、YouTubeで『SHELLYのお風呂場』を開設されたんですよね。性教育についてのみを扱うと。 SHELLY:そうです。YouTubeがやりたかったんじゃなくて、性教育がやりたかった。 ――どうしてそこまで性教育をやりたいんですか? SHELLY:昔から性に関することとか、ジェンダーとかに興味があっていろいろ調べたり勉強したりしていました。すると知識を持っていない人たちとの会話で、ものすごいカルチャーショックを受けたり、それはすごく危険なことだと分かっているのかな?みたいなこともいっぱいあって、これは知っているのと知らないのとでは歩んでいく人生があまりにも変わってくると気がついて、伝えたいなと思いました。 ――性教育をやるのが夢だったんですね。 性教育をやりたいやりたいっていうのを周りの制作の人にも言いまくってたんですよ。そうしたら1人目の子どもが生まれた後に「Wの悲喜劇」(Wの悲喜劇 日本一過激なオンナのニュース/AbemaTV)の話をいただいて、企画書がドンピシャ、私がやりたいことだったんで、これはやるって言って。 それで番組の中で新たな情報もたくさんいただいて、私も勉強して、すごく視野が広がって、やっぱりもっともっとやりたいって気持ちが強くなって。コロナでその番組の収録ができなくなっちゃったこともあり、ああしゃべりたいっていうのが溜まりに溜まって、YouTubeやろうってなって、年末に始めたって感じです。 ――それでこのタイミングだったんですね。ずっと虎視眈々と狙ってたんですか? SHELLY:狙っていました。コロナをきっかけに世の中がめちゃめちゃ変わったなって思っていて。女性が社会的に抑圧されている部分が浮き彫りになったじゃないですか。女性たちがこれおかしいよねってワーってTwitterとかで言い出した。メディアでも女性たちがイライラしているらしいって話題になって、私がずっとぶつぶつ文句を言っていたこととちょうどタイミングがあったみたいです。

▶︎SHELLYさんのYouTubeチャンネル



日本の性教育は遅れている

――性教育がおかしいっていうのは、どういうときに初めて思ったんですか? SHELLY:たぶん子どものころで、私は3人姉妹の三女なんですけど、姉は二人ともインターナショナルスクールに通っていて、私は日本の公立の学校だったんですよ。思春期になっていろんな情報が入ってくるときに、姉たちから入ってくる性に関する情報と自分の界隈での話にギャップがあったんです。英語が話せるので、インターネットで英語で検索してみると、性についての情報量がすごいんですよ。同じことを日本語で検索した時にはオピニオンしか出てこなくて、他は都市伝説みたいな、これを信じたらやばいと思う情報ばかりで、そのへんから教育ってめっちゃ大事だなと思いました。 ――3、4年前にご一緒した番組でも都市伝説をいっぱい扱いましたよね。テクノブレイク(過度なマスターベーションによって性ホルモンが過剰分泌され、身体異常を引き起こす症状のことで、主にインターネットで使用されるネットスラング)でしたっけ?オナニーしすぎると死ぬっていうのを信じている学生がいっぱいいるって聞いて、えーって。 SHELLY:死なないよ。正しい情報がないと、変な情報が蔓延しちゃう。寝た子を起こすな理論で、性のことを教えると変に刺激しちゃうんじゃないかって思う大人がたくさんいるらしいんですけど、教えなかったせいで大変な人生を生きている人たちもいるし、そのせいでテクノブレイクみたいな話を真剣に信じている子たちが増えてしまう。 ――ただ私が思うのが、性教育が日本で遅れていることや、性病は怖いものだということは知っていても、じゃあどうすればいいのっていうが分からないんですよ。セックスって悪いものじゃないのに、怖いってなっちゃうんですよね。 SHELLY:日本の性教育がそうさせているんですよね。性病の怖さも教えないで、妊娠したら大変だよってことだけを教えるみたいな。セックスの結果一番怖いのは妊娠だって思っている子が本当に多くて。違う違う。性感染症っていうものすごい恐ろしいものがあって、それでがんになったり死に至ったりっていうこともあるから。セックスをするって、ものすごく責任が伴うことで、その責任をしっかり教えてあげれば、若い子もなんとなくその場の雰囲気でしちゃえっていってするものじゃないんだなってわかる。



セックスの基本はコミュニケーション

――でも、まだ怖いんです。それは想像がつかないからだと思います。だから、もっと細かくシミュレーションして教えてほしいです SHELLY:海外の子ども向けの絵本とかには、交際からセックスに至るまでのことがちゃんと書かれていたりするんですよ。だから私は個人的には性教育って、まずはコミュニケーションだと思っていて。性教育っていうと、精子と卵子が…みたいな生物学上の話を想像するんですけど、まずはコミュニケーションを取れないと。 セクハラとかパワハラとかレイプとか、そういうものってコミュニケーション能力の低い人たちがやっちゃうんですよ。それをまず自覚しなきゃいけない。相手の同意が取れたか分からないってことは、同意が取れていないってことなんですよ。とにかく一回一回確実に聞く。キスしていい?手を繋いでいい?抱きしめてもいい?それも雰囲気が壊れて嫌だっていうんだったら、雰囲気を壊さない聞き方を練習しろっていう話なの。 ――好きな人に言われたら嬉しいですけどね。 SHELLY:今まで恋愛とかセックスとかにおける「言わずもがな」とか「嫌よ嫌よも好きのうち」とか「察する」みたいな神話的な部分は一回みんな捨てましょう。全てはコミュニケーション。それをお互いに確認しあって、相手がまだ準備ができていないなって思ったら、別の方法でコミュニケーションを楽しむ。相手が安心できるようになったら、またもう一歩進むかどうかを確認するってことが大事です。 YouTubeを見てくれた人からの相談ですごく多いのが、女性も男性も同じぐらいの数でセックスが怖いって思っていることなんですよ。すごく大切な相手がいて、付き合えそうなんですけど、どうしてもセックスが怖くて付き合いたくないってことが本当に多くて。なんでみんな付き合ったらセックスしなきゃいけないって思うんだろう。付き合って二人で映画を見に行ったり食事をしたりすることにワクワクできればいいのに。セックスをまだしたくないから、その手前の交際を楽しむのをやめようっていうのは、すごい変だなと思って。


幼児期からプライベートゾーンについて教える

――SHELLYさんは、娘さんにも性教育を始められてるんですよね? SHELLY:性教育とは思ってないですけど、結果的にたどっていけば性教育なのかなっていう。自分のプライベートゾーンの話を2歳とか3歳のころから教えています。本人がこれはおかしなことなんだよっていうのを認識できれば、外でもし何か変なことがあっても言ってくれるじゃないですか。 ――どういうふうに教えてるんですか? SHELLY:プライベートゾーンって、よく水着で隠れる部分って言ったりするんですけど、プライベートゾーンはとても大切な部分であって、あなただけのものなんだよ。誰かに見せたり誰かに触らせたり、誰かのプライベートゾーンを見せてって言ったり触ったりしちゃだめなんだよって話をしています。どれくらい伝わっているかは分からないけど、とりあえず何回も何回も教える。自分を守る武器をしっかり持たせるって意味で教えてます。


法律を作ったり変えたりすることの大切さ

――最近、ジェンダーギャップについて問題になっていますけど、SHELLYさんの感覚で、いま声をあげなきゃっていう思いはありますか? SHELLY:いま、「性的不同意罪」っていう、性的同意を取らないでした性行為は罪に問われるっていう法律を作りましょうという動きがあるんです。10数団体が集まって署名活動をして、これはやりましょうって。なんでかというと、今までレイプ犯とかがことごとく無罪、不起訴になっていて、消防士4人で高校生をレイプして不起訴になったり、19歳の娘をレイプし続けた父親に地裁で無罪判決が出たり(後に懲役10年の有罪判決が確定)。 こういう現行の法律では罰せられない人たちが多すぎるから、新しい法律を作りましょうということなんです。これに関しては確かに今だなって思いますし、みんながそういう感情が熱くなっている時に気持ちをひとつにしないと、またなあなあになってしまうっていう怖さがあるので。 ――おっしゃる通りですね。私もやっぱり法律とか制度を変えていくことと、文化を変えていくことって両方必要だなと思って。 SHELLY:私は怒りが収まらないだけなの。怒っているぞってアピールをし続けないと、法律の議論でもこの話は一回置いておこうとかってなってしまうんですよね。みんながワーって怒らないと変わらない。日本の性犯罪の取り締まりの甘さっていうのは問題で、私、自分の子どもがそういう目にあったときに、現状の法律で相手を裁けませんとなったら、自分の手で加害者を殺さないでいる自信がない。じゃあそれで相手を殺してしまった私はちゃんと殺人罪に問われるんですよね。何それみたいな。そういう不平等がいま起きているって思うと、被害者とその家族を守るためにも加害者をしっかり罰することが社会として必要だと思うんですよね。


▶︎対談動画はこちらから








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