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「2日に1回、辞めたかった」——それでもたかまつななが12年間続けた理由

  • 執筆者の写真: 笑下村塾
    笑下村塾
  • 15 時間前
  • 読了時間: 4分

政治家60人以上、累計8,500万回以上の再生数。数字だけ見れば順風満帆に見えるYouTube「たかまつななのSocialAction!」だが、本人の口から出た言葉は意外なものだった。「2日に1回ぐらい辞めたいと思っていました」——それでも続いた理由を、チャンネル設立12周年の節目に本人が語った。

※この記事は、YouTubeチャンネル『たかまつななのSocial Action!』のために2026年4月28日に収録した内容を元に作成しました。



政党の枠を超え、60人以上の政治家が出演

チャンネルの開設は12年前、高松がまだ大学生だった頃にさかのぼる。以来、チャンネルには現在の全国政党から、党首・閣僚クラスの人物が出演してきた。高市早苗総理、石破茂氏(現総理大臣就任前)との居酒屋インタビュー、小川淳也氏、田中真紀子氏、気候活動家グレタ・トゥンベリ氏、そして森友問題をめぐって自死した赤木俊夫さんの妻・赤木雅子氏——政党の枠を超えた多様な出演者が特徴となっている。

登録者数は24万人。視聴者層は他の政治チャンネルと比べて女性や若い世代の割合が高い。「全て流す編集方針が信頼につながっているのかもしれない」とたかまつは語る。保守系の政治家からも「変に意図的な編集とか切り取ったりとかはしないと思ってて」という言葉をもらったことがあるという。


なぜYouTubeで発信し続けるのか

この日ゲストとして登場した青山和弘氏と今野忍氏は、ともにテレビ・新聞という既存メディアの出身だ。二人が口をそろえるのは、「政治家を批判することがメディアの使命」という空気の中で、いいことをいいと伝えることがいかに難しかったかという話だ。「政治家に『よろしくお願いします』とニコっとしただけで上司に怒られた」と青山氏は語る。尺と紙面の制約もある。「異常なこと、おかしいこと」しかニュースになりにくい構造の中では、地道な成果や当事者の声はこぼれ落ちていく。切り取りの問題も加わった。長尺の発言から一部だけが切り出され、文脈を失ったまま拡散される。

二人は、既存の討論番組が各党のポジショントークに終始しがちである現状を指摘し、そうした場では「合意形成」という民主主義の核心に近づくことが難しいと課題を挙げた。

こうした構造の外に出て、自分の編集方針で長尺のインタビューを届けることができるのが、YouTubeという場の意味だとたかまつは言う。全て流す編集方針、長尺のインタビュー、既存メディアでは届かなかった声——木村響子氏や赤木雅子氏への取材も、その延長にある。フジテレビの仕事がなくなることもあった。それでも「社員の方から『言ってくれてありがとう』という連絡をもらった」と高松は語った。



「有料にしたくない」——マネタイズと公益性の間で

活動を続けるうえで、資金の問題は避けられない。YouTube広告収益だけで黒字化できる月は「滅多にない」というのが現実だ。現在は視聴者からのマンスリーサポートや寄付が活動の主な支えとなっている。

メディアの主流なマネタイズ手法として、有料会員制度(メンバーシップ)がある。海外メディアも含め、多くのチャンネルがこの方向へ舵を切っている。だがたかまつはためらいを見せる。「政治家の方のインタビューは公益性があると思っている。それを有料限定にするのはどうなのか」と。

有料化すれば収益は安定するものの、情報へのアクセスに「払える人だけが届く」という壁ができることは、「誰も置いていかれない社会にしたい」という自身の根本的な問題意識と矛盾するとたかまつは考えている。結果として現在のメンバーシップは、インタビュー本編ではなくたかまつ自身がその日の動画について語る「感想」のみを有料コンテンツとしているという。

「YouTubeだと良質な視聴者に向けて、ゆったりとした尺で届けられる。そういう場が日本社会を変えていくかもしれない」と青山氏は言う。



「気づいたら、仲間がいなくなっていた」

「2日に1回ぐらい辞めたいと思っていました、でももう気づいたら同業者が減ってたんです」——高松はそう語った。若者の政治参加をテーマに活動していた同世代は、資金難での撤退や政治家への転身で、少しずつこの領域を去っていった。「私が辞めたら、なくなってしまうかもしれない」という感覚が、続ける理由になっていったという。

今野氏はこう締めくくった。「個人の人権や多様性を大切にしようというスタンスが高松さんの本質だと思う。それを若い世代に、押しつけるのではなく、こういう考えもありますよ、と伝え続けてほしい」。


文・玉城


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