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最短衆院予算通過、自衛隊派遣要求——高市政権はこの難局を乗り越えられるか

  • 執筆者の写真: 笑下村塾
    笑下村塾
  • 5 時間前
  • 読了時間: 3分

高市政権が発足し、初めての予算案が衆議院を通過した。しかしそのプロセスは「異例」という言葉では片付けられないほどの強引さと、急速に変化する国際情勢への対応という二重の困難に直面している。政治ジャーナリストの青山和弘氏、毎日新聞の佐藤千矢子氏、政治記者の今野忍氏が、高市外交の正念場と国会運営の危うさを分析した。

※この記事は、YouTubeチャンネル『たかまつななのSocial Action!』のために2026年3月11日に収録した内容を元に作成しました。



今、政権が最も神経をとがらせているのはトランプ米大統領からの「艦船派遣」要求だ。トランプ氏はSNSで中国や日本を名指しし、中東情勢への関与を求めている。これに対し青山氏は「今の憲法や集団的自衛権の枠組みでは、戦闘状態の海域に自衛隊を出すのは極めてハードルが高い」と指摘する。佐藤氏も、トランプ氏の発言の信ぴょう性や米海軍内での調整不足を挙げ、現時点での派遣は現実的ではないとの見方を示した。


一方で、日本の石油輸入の9割以上が中東に依存している事実は重い。湾岸戦争時、対応の遅れから国際社会での評価を落とした「トラウマ」が日本外交には残っている。高市首相が19日の訪米で、トランプ氏の自尊心を傷つけずに「できることとできないこと」をいかに整理して伝えられるか。停戦後の機雷掃海や周辺海域での警戒監視など、自衛隊員の命を守りつつ同盟国としての役割を果たす知恵が求められる局面だ。



国内では、予算案の衆院通過をめぐる「最短記録」への執着が波紋を広げている。通常80時間程度をかける予算審議を、今回は約59時間で押し切った。佐藤氏は「委員長職権による強行日程の連発は、後世に禍根を残す」と批判する。先の衆院選で野党側の論客が軒並み落選した影響もあり、野党の質問に力強さを欠く場面も目立つ。

高市首相は自ら解散に打って出た手前、予算執行の遅れを物価高対策の失敗と見られることを強く警戒している。強気で押し切るスタイルが現時点では「スピード感」として評価されている面もあるが、熟議を軽視する姿勢には与野党双方から懸念の声が上がる。


象徴的なのが、首相主導で設けられた「国民会議」だ。社会保障や消費税減税を議論する場とされているが、特定の主張を持つ勢力しか参加できない仕組みに対し、「都合のいい賛成派だけを集めている」との批判が出ている。青山氏も、2年限定の消費税ゼロという公約について「2年後に税率を戻す際のコストや混乱を考えれば、身内の経済ブレーンですら首をかしげている」と、その論理的な脆さを指摘した。



高市首相は膨大な資料を読み込み、一人で決断を下すタイプだと言われる。佐藤氏は「民主主義の面倒なプロセスを省くスタイルには危うさもある。多様な意見を吸い上げる力もつけていってほしい」と述べた。

国際秩序が「力の支配」へと傾き、昨日までの前提が今日には崩れる激動の時代に、強いリーダーシップと熟議のバランスをどう取るか。高市政権の真価が問われている。


文・玉城


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