2024年度群馬県高校生リバースメンターとして活躍する太田市立太田高等学校2年の茂木愛莉さんが、教員の魅力とその現状について熱い提言を行いました。茂木さんは、自らの体験を通じて教員の大切さを実感し、教員を目指しています。しかし、高校生の多くは教員を「ブラックな職業」として捉えている現状に問題意識を抱いています。茂木さんが提案する5つの提言をぜひご覧ください。
なぜ教員の魅力を伝えたいのか?
太田市立太田高等学校2年の茂木愛莉です。私は将来、教員になって、生徒が安心して学校生活を送れる環境を作りたいと考えています。中学生のとき、心身の不調に悩んだ際に、先生方が親身に相談に乗ってくださり、無事に回復できた経験から、私も多くの子供たちを支える教員になりたいと強く思うようになりました。
高校生から持たれる「教師=ブラック」のイメージ
しかし、教員は魅力的な職業でありながら、高校生の約9割が「労働時間が長い」「仕事量が多い」といった理由で、教員はブラックな職業だと感じていることがアンケートを通してわかりました。私自身も学校生活の中で、何か問題があっても「先生は忙しそう」と感じて相談をためらった経験があります。そしてクラスメイトにアンケートを取ったところ、約8割が同じような経験をしていることが分かりました。
教員の忙しさゆえに、子供たちが抱える問題が解決されなかったり、相談できずに悩んでしまうのは、とても理不尽だと感じます。こうした状況から、子供たちの間で「教員は忙しい」というイメージが強まり、教員の本当の魅力に気づく機会が減っているのではないかと考えました。私自身、友達に教員になりたいと伝えた際にも「大変だよ」「忙しそうだね」と、ネガティブな反応が返ってきたことがあります。
こうした現状を踏まえ、群馬県では教員の魅力を知ってもらうための取り組みや、教員の多忙化を少しでも改善するための施策が必要だと考えます。そこで、私は以下の5つの提言をさせていただきます。
茂木さんの5つの提案
1つ目は、高校生による教員体験プログラムの実施です。教員の魅力は、実際に自分の体で感じることが最も効果的だと思います。子供と関わる楽しさや、学生の立場ではわからない教員の魅力を実感できる貴重な機会となるはずです。
2つ目は、教員の魅力を発信するポスターの作成です。写真を活用して、教員という職業の素晴らしさを幅広い年齢層に伝えることが目的です。
3つ目は、群馬県の教職の魅力を伝える動画の拡散です。群馬県が作成する素晴らしい動画を多くの人に見てもらいたいと考えています。4つ目は、高校生の視点で教員1日に密着した動画の作成です。楽しみながら教員の魅力を知ってほしいと考えます。
5つ目は、スクール・サポート・スタッフの増員です。私は小学校から高校まで、計18人の先生にインタビューを行いましたが、多くの先生が「仕事量が多すぎる」と訴えていました。群馬県ではスクール・サポート・スタッフが募集されていますが、現状では派遣されていない学校も多いため、これを増員することで教員の負担を軽減できるのではないかと考えています。
教育現場の課題は表に出にくいことが多いです。だからこそ、現場の声に耳を傾け、問題解決に向けた対策を講じていくことが必要です。教員の働き方が改善され、教員という職業が「ブラック」と言われることのない社会を目指して、皆さんの力をお借りしたいです。
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