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執筆者の写真笑下村塾

「反ワクチン」「排外主義」と噂の参政党とはどんな政党なのか?副代表で事務局長の神谷宗幣さんに聞いてみた

去年の参議院議員選挙で得票率2%を上回って1議席を獲得し国政政党になった参政党。2020年の設立から3年。次の衆院選に向けて、どんなことを目指しているのか。代表の神谷宗幣さんにYouTube「たかまつななチャンネル」で話を聞きました。


(取材:たかまつなな/笑下村塾)


※取材したのは、2023年7月6日です。


参政党の理念や政策の柱とは


ーーまず参政党とは何を理念にした党なんですか。


日本の国益を守り、世界に大調和を生むということです。日本の政党なので、外国に媚びずに日本人を最優先にしようということと、大調和というのは、日本だけが良ければいいというのではなく、世界の国どうしが争わないように調整に入ったりできる国を目指そうという理念を掲げています。


ーー政策の柱は何ですか。どういう国を目指していらっしゃるんでしょうか。


政策の柱は三つ掲げていて「教育」「食と健康」「国まもり」です。


「教育」には特に力を入れていて、子どもはもちろん、大人も変えようとしています。投票率が半分を切っているのはおかしい。民主主義が機能していない。だから国民の意識改革を促す。国民の政治参加を高める。わが事として政治に参加してもらって、政治家にもなってもらうというのが一番の政策の柱ですね。


「食と健康」については、日本で今一番お金がかかっているのは医療費で、なぜかというとみんなが不健康になっちゃうからですね。今の日本の医療制度は、患者を増やしてお金を稼ぐ仕組みになっているので、病気になる人を減らせばちゃんと経済が回る仕組みに変えていかないと、青天井の医療費が減らない。だから、食事とか健康意識、予防医学がすごく大事です。


「国まもり」というのは、国防とかマッチョな議論も大事だけれど、その前に経済がどんどんやられていきますよねと。だから、きちっと情報を伝えて、国民が損をしないように経済を回す。もともとよく働く国民ですから、経済が回ると国をまもれるよねと訴えています。


若いから人も支持が集まるのはなぜ


ーー参政党はいつ作られて、どういう支持者が多い政党なんですか。


2019年に準備を始めて、最初は3人ぐらいで動画の配信だけしていたんですね。2020年4月11日に結党しました。支持者は、30代から50代が中心なんですけど、20代、60代、70代の方もまんべんなくいて男女比は6:4です。比較的女性からの人気が高いと思います。


ーーTikTokとかでもよく見かけるので、10代、20代にも支持されていますよね。なぜ若い人にリーチできていると思いますか?


そうみたいですね。ただ党としてはTikTokをやっていないので、あくまで党員の皆さんが任意で広げてくださっているという感じです。僕はもともと学校の先生で、今45歳で子育て中なんですけど、「こいつらのために何かしてやろう」と本気で思っているし、それを街頭で訴えると、中学生とかから「この人、本気で僕たちの世代のことを考えてくれていると思った」という感想を結構いただきます。


「ワクチンは殺人兵器」“半ワクチン”の真意とは


ーー選挙のときに、「反ワクチン」の主張が印象的でした。


反ワクチンというか、大人は自分で考えてリスクを判断できるけれど、子どもはできないから、治験中のものを子どもに半強制的に打たせるのは、倫理的に問題があるでしょと。コロナに限らず、どのワクチンも一定の副反応はあるので、リスクが分からないものを努力義務だと言って強制すべきではないと訴えていました。


その知識は、井上正康先生とかアドバイザーの方々から教えてもらいましたね。代表(取材時、現在は代表を辞任)の松田学は医療関係者ではないんですけど、すごく頭のいい方で、そういったことをすぐにマスターして我々に教えてくれるので、それを知ってしまうとおかしいと思って。うがった見方でも陰謀論でもなくて、合理的な判断だと思って訴えていただけです。


ーー松田代表(取材時、現在は代表を辞任)が新橋の街頭演説で、コロナのワクチンは殺人兵器だと表現されていました。これについてはどうお考えですか。


あれは、ちょっと口が滑ってますよね、僕は言いすぎだと思います。でも、実際にその他のワクチンで亡くなった人が20何年間で何千人とかで、今回、その数を2年で軽く超えているので、ワクチンは死のリスクが高いということを言いたかったんだと思います。でも表現は気を付けないと、そこだけ切り取られて報道されたら極論になっちゃますからね。


行き過ぎた自由主義に歯止めをかけたい


ーー国会での質問主意をいくつか見せていただきましたが、外国人の問題について、土地の取得とか永住許可とか生活保護に関わるものがあつりました。外国人の権利を制限すべきだと考えているのでしょうか。


外国人つに厳しい「排外主義」だと言われることがあるんですけど、別に外国人を追い出せと言っているわけではなくて、日本という国は日本人の国であり、納税者は日本人がほとんどですから、日本人の権利をしっかり守らなければいけないということですね。


例えば、経済的に立ち行かない人は本国に帰ってもらうべきだし、土地に関しても中国人は日本の土地を買えるけど、日本人は中国人の土地を買えないので不公平でしょとか。どこかで行き過ぎた自由主義に歯止めをかけておかないと、お金の力で主導権を取られちゃいますよと。そこに警鐘を鳴らしたいだけなんですよね。


次期衆院選では公認候補を100人立てる


ーー神谷さんがもし総理大臣になったら、何を一番やりたいですか。


やっぱり教育ですよね。日本の子どもたちが日本を好きで、日本のために、世のため人のために自分の力を生かしたいと強く思ってもらうこと。主権者意識を高めて、みんなで決めて、合意して進めていく。そのための情報発信や制度設計をしていきたいですね。


ーー党員の方は何人ぐらいいらっしゃるんですか。


9万人ぐらいで、サポーターがその半分。党費を払っている党員がその半分ぐらいですかね。30代から50代が一番多くて、全体の6割ぐらいだと思います。


ーー党費は、いくらかかるんですか。


月1000円。Netflixよりは安いよとか言っていますけどね。我々は政党助成金もほとんどないですし、企業献金もなく、宗教団体がついているわけでもありません。僕は最初から「選挙にはお金がかかるんだ」と言って党員の皆さんからお金をいただく仕組みにしています。


ーー政党助成金は1億8000万円くらいもらっていると思いますが、それでも足りないんですか?


自民党の160億の89分の1ですよ。今度の衆院選で候補1人あたり、公認料を600万円出すんですけど、そのうち300万円は供託金で取られるでしょ。僕らは公認候補を100人出そうと思っているので公認料だけで6億かかるんですね。全然足りないです。



若い人には選挙に出てほしい


ーー日本の政治は今、高齢者が優先されるシルバー民主主義になっていると思いますが、どうしたら解消できると思いますか。


若い人たちに政治の大切さを愚直に伝えていくしかないんじゃないですか。実際に参政党の党員は、今まで投票に行ったことがない人がべらぼうに多いんですよ。党員の3分の1ぐらいは行ったことがない人たちなんですね。行かなきゃいけないと思ってもらうためにどうすればいいか、一生懸命考えています。情報発信していくことが大事かと思います。



ーー私たちは主権者教育を全国規模でやっている日本で唯一の会社です。主権者教育で大事なのは社会を変えられると思える手触り感だと思うんですが、日本財団の調査でも社会を変えられると思う若者は26%しかいないという現状です。私たちはどういうことをやればいいか、アドバイスをいただきたいです。


若い人たちには、選挙に出たら?って言うんです。僕の秘書も大学生のときから来てますけど、彼らには同世代のモデルになってほしい。そもそも僕みたいな、別にサラブレッドでもない、学歴もよくない、年収も大したことないやつが、4年間で国政政党をつくれるんだと。変なパフォーマンスもせずに、愚直に暑苦しい演説を繰り返すだけで176万人もの人たちが応援してくれて、政党ができたと。これ、一つの奇跡でしょと。だからやろうと思えばできるんだぞと伝えたいですね。



ーーいま、参政党の議員のトリセツ、取扱説明書を教えていただきたいです。例えば、陳情はこうするとより効果的だとか、我々をこう使ってくださいみたいなことがあれば教えてください。


政治家の8割から9割の人の目標は次の選挙に通ることです。だから一般的な政治家に対しては、1人で陳情に行くよりもグループで行って、協力してくれると票が入りますよと、暗にプレッシャーをかけることです。一方で参政党の議員に対してはそうではなくて、参政党の理念と我々が求めていることは合致してますよね、だからやるべきですよねと理念に紐づく話をしてもらうと、議員に火がつくと思います。


ーー最後に伺います。次の選挙で若者は参政党に入れるべきでしょうか。


はい、入れるべきです。僕たちは社会を変えるという理念があるので、若者との親和性は非常に高いし、青臭いことを言っても通る党ですね。「そんなの無理だ」とか「何の得があるんだ」とかいうセリフ、僕は大嫌いなので、とりあえずやってみようと。若い人たちには、投票をするだけじゃなくて、ぜひ政治に参加してもらいたいですよね。




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