主権者教育とは?若者の社会参加を促す「笑下村塾」の取り組み
主権者教育の活動
主権者教育とは
社会問題に対して当事者意識を持ち、行動できる人を育てる
社会問題に対して、当事者意識を持ち、自ら考え、判断し、主体的に行動する“主権者”を育てることです。
“主権者教育=投票教育”だというのは誤解で、投票はあくまでも主権者教育の一部に過ぎません。社会を変える方法は、選挙に行く、政治家に会いに行く、メディアに投書する、署名を集める、デモに行くなど、たくさんあるなかで、選挙も社会を変えるひとつの方法だということを教えます。主権者教育を行うことで、異なる考え方の人との合意形成の取り方が身についたり、自分の意見が言えるようになったり、対話できるようになったりする効果も生まれています。
なぜ主権者教育が必要か
気候変動や少子高齢化...さまざまな社会課題の解決を担う人材の育成が必要
社会を変えられると思っている日本の若者は少なく、約26%のみ。これは先進国の中でも、極めて低い値です。だからこそ、社会を変えることを、“楽しい”と思える子どもたちを増やしたい。そうでないと日本では、古い体質や年功序列の文化が残ったまま、イノベーションが起きることもないでしょう。現在日本には、気候変動や少子高齢化、財政赤字など、課題が山ほどあります。これらの社会課題を解決し、持続可能な社会をつくるには、根本から社会を変えていくような人材を増やしていくことが大事です。主権者教育をすることで、いかに他人と合意形成を取っていくか、社会問題解決のためにどうすればいいか、行動できる人材を育成してく必要があります。
笑下村塾が行う授業
お笑い芸人さんによる参加型で楽しく学べる授業
高校を中心に、全国の学校にプロのお笑い芸人が講師となったわかりやすくて楽しい授業を届けています。内容は、「超高速パワポ芸!3分で分かる民主主義」「芸人と政治家のネタの選び方は実は同じ?」「若者の予算クイズ」「逆転投票シミュレーションゲーム」など、政治の敷居を「笑い」で下げ、選挙に行かないと損をすることを楽しく伝えます。また「社会を変えるたけにできること宣言」では、自分の身近な社会課題に対して、自分が実際にできる解決のためのアクションを考えてもらい宣言してもらうことで具体的な行動を促します。
授業の効果
群馬県では18歳投票率が8%以上UP!リアルなアクションにつながる
2022年4月から7月10日の参院選までの期間に合計49校、約9800人の群馬県内の高校生に対して授業を実施。総勢48組のお笑い芸人さんをはじめとするタレントの方に出演いただきました。
県の発表によれば、2022年7月の参院選における群馬県内の18歳の投票率は8%も上昇していました。(前回35.22% →今回43.16%)全国平均と比べても18歳、19歳はそれぞれ4%以上増加となります。
授業の流れ
導入 | 挨拶やアイスブレイクで場を和ませます。 |
政治教育ショーマルバツクイズ | マルバツクイズを通じて、社会を変える方法を楽しく学びます。 |
3分でわかる民主主義 | 「選挙って?」「民主主義って?」高速パワポ芸で説明します。 |
選挙に行かないと損する仕組み | 国家予算など参考にしながら、選挙に行かないと損することを実感します。選挙に行くことの大切さを伝えます。 |
逆転投票
シミュレーション | 与えられたカードの役になりきり、実際に討論してから投票します。人口ポイント、投票率によって逆転してもらうことを知ってもらいます。 |
社会を変える
10代ニュース | 私たちに社会を変えられないと思っている若者たちに、社会を変えた10代の事例を楽しく伝えます。 |
私が社会を変えるためにできること宣言 | 自分が社会を変えるために何ができるのか、ワークを通して考えます。 |
悪い政治家を見抜く人狼ゲーム | 選挙で誰を選べばいいのか?若者に大人気の人狼ゲームをモチーフとし、悪い政治家を見抜くゲームをやりま
す。 |
まとめ | 授業のまとめ、集合写真の撮影などを行います。 |
女子高校生
ゲーム形式などで参加型だったので主体的に取り組めて面白かったです。若い世代の自分にも社会を変えることができるのだとわかりました。
男子高校生
グループワークで自分の意見を考え、言えたので良かった。「面倒くさいから」、「難しいから」などといった理由で自分が損をするのはもったいないので積極的に行動しようと思った。
先生
普段勉強ができない子が舞台上に自ら手をあげて出ていたのが印象的。
勉強じゃなくてああいう場で活躍できてうれしい。生徒に活躍の場をあたえてくれて嬉しい。
生徒・先生の感想
主な主権者教育プロジェクト
笑える政治教育ショーin群馬
群馬県と協力して県内全ての高校を対象に授業を届けるプロジェクト。総勢48組のお笑い芸人さんをはじめとするタレントの方にご協力いただきました。2022年7月の参院選で県内の18歳投票率が前回に比べ8%以上上昇しました。
総務省選挙啓発動画「まなべ!センキョッキョ」
総務省が制作した主権者教育動画「まなべ!センキョッキョ」の監修および出演をいたしました。ガチャピン・ムックとたかまつななが政治や選挙についてわかりやすく伝える動画です。「大きな財布の使い道」「民主主義とは」「投票の不思議」の3本立てで、日常生活や学校で体験する身近な出来事を題材としています。
提言会
選抜された高校生が群馬県知事に政策提言を行うイベントを実施しました。
意見交換会
提言会後の進捗を知事・高校生・各関係課で共有し、さらなる意見交換をする場を設けました。
執筆
授業の内容をもとに、政治や選挙を楽しく、わかりやすく解説する書籍を執筆しています。
その他の取り組み
主な掲載実績
取り組み全体に関する紹介記事
お問い合わせ
学校や自治体、企業などさまざまな団体向けの授業を行なっておりますので、授業実施をご検討のかたはお気軽にお問い合わせください。また、取材もお待ちしております。