• 笑下村塾

高校生の私がペットボトルに2年間不使用宣言をした理由



お先真っ暗な未来。高校生の私は何をすればいいの?


 私は高校三年生、今年18歳になった。2030年、私は29歳になる。この年はSDGs(国連が定めた世界みんなで取り組み開発目標)を達成する年である。しかし、2030年で私の人生は終わるわけではなく、その先には、50年、100年と続き、私は働き、家庭を築き、老いて次世代にこの世界を渡していくのだ。私は持続できる世界を渡せるだろうか、どんな世界で生きるのだろうかと考える。


 この夏も猛暑が続き、熱中症で倒れる人が続出している。貧困の問題は外国の問題ではなく、日本でも7人に一人の子供が貧困にあり、プラスチックは海に漂い生態系を壊している。大人たちが眉間にしわを寄せてテレビで異常気象だとかいう。お先真っ暗な未来に私は暮らすのか。


 SDGsは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの17個の国際目標である。国際目標というと自分とは関係が感じにくい。初めてこれを知ったのは一昨年、国連本部のツアーに行った時だった。昨年は、SDGsについて調べ学習で本を読んだのだが、いずれにしても行動をするには至らなかった。




芸人さんとSDGsを学ぶイベントに参加


 今年の6月(株)笑下村塾が主催する「笑って学ぶSDGs」に参加した。SDGsを改めて考えてみようという思いもあったが、芸人というワードに惹かれた方が大きいだろう。申し込みをして、行ってみた。

 当日、高校生の私はスーツに身を固めたビジネスマンが多くいたテーブルに着席し、それとなく緊張をしていた。しかし、そこへ一発目からギャグをかましながら芸人が登場してきた。笑いに包まれて、居心地の良い会場となったところで、さっそくSDGsとはなにか、パワーポイントと鋭いツッコミで次々と17の目標と現在の課題が紹介されていった。



お笑い芸人”ぶらっくさむらい”さんによる分別ラップで授業がスタート

 その後、"SDGsババ抜きカードゲーム"を行った。数字を合わせる代わりに17の目標が書かれており、そろうとミッションが課せられる。食品ロスに関しての課題が書かれたカードでは、バリバリ働いてそうなサラリーマンがおにぎりのポーズを取らなくてはならず、皆で笑った。これは、日本の食品ロスがひどく、一日一人約おにぎり1つを捨てている計算になることを象徴している。


SDGsババ抜きカードゲームをする様子


 目標のことを知った後、実際に取り組みを見ていき、今度は自分たちで企画立案を行った。私のグループでは商店街とテレビの2つを掛け合わせてできるSDGsの取り組みを考えていった。最終的に出した企画は、“商店街寺小屋”である。最近さびれてきた商店街、そしてテレビの需要が問い直される時代にシャッターが閉まってしまっているお店を勉強したい子供たちに開き、テレビで勉強をする。そうすれば商店街の過疎化も子供たちの学び舎となり止めることができ、テレビも役に立つ。実際に行うかは別として、サラリーマンも学生も、中年の夫婦も笑いながら想像力を膨らませ、楽しんだ。


私のチームの企画発表をしている様子


サランラップを使う手が止まる…日常のちょっとした変化


 17の目標に向けて私がプロジェクトを立ち上げることは計画していない。しかし、一段意識が上がったと感じる。今までは書物に書かれたお堅い崇高な目標だったが、目標を知り、楽しみながらそれを応用する事案を立てると自分との関係性が見えてきた。身近の生活を送りながらこれは持続的ではないんじゃないかと首を傾げることができるようになった。

 最近、ペットボトルを使うことに抵抗感を感じる。サランラップを使うときに手が止まる。温泉旅行に行くと、ふと、なんでも整っている環境に暮らす自分がいる一方で、学校に行けずレンガ工場に働きに出ている子供たちがいるのだと思い出される。レストランで食べきらずに残されたご飯を見ると胸がざわつく。

 私のちっぽけな頭に17の目標が暗記されたとは言い難い。しかし、このざわつきをそのままにすることはできず、今は2年間ペットボトルを使わない宣言を友人としたり、総菜を温めなおすときにサランラップで蓋をせず、試しにお皿を乗っけてみたり、貧困格差の本を読み、現状を知ろうと私なりに行動に移している。

 このように意識が変わったのも、少しずつSDGsに触れていったからだろう。はじめの“カラフルなロゴだなあ”という感想から、本を読み、同い年の子でもプロジェクトを立ち上げているのを知り、やっと「笑って学ぶSDGS」に参加して自分の行動に意識が向き始めた。これは芸人さんが参加者を笑わせながら、周りの参加者とともに応用を考えたりしたことが大きいのだと思う。







狂った世界を、私はどう生きるのか


 あと何年間の命か。命が尽きてしまっても次世代が育てられている。私は時限爆弾を彼らには渡したくはない。社会の重大な選択をする役割は若い世代ではない。中年の人たちであることが多い。彼らは経験に富み、知識も人脈もあり、社会的責任を背負っている。しかし、50年後はこの世にはいない世代だ。SDGsは持続可能な開発のためのアジェンダである。極端に言ってしまえば、持続可能だろうがなかろうが、十分今のまま暮らしを最後まで全うできる人たちで、どれほど危機感を抱けるか疑問である。私たちがこれからを担っていく世代ではある。しかし、だからと言って若い人が皆関心が高いかと言ったらそうではないだろう。


 幸い、今、新海誠監督の「天気の子」が上映中でかなりの反響を呼んでいる。それは雨が降り続ける異常気象が舞台になっている。その中に「世界なんてさ、どうせ元々狂ってんだから」というセリフがある。問題意識を持つポイントは人それぞれ違う。狂った中で自分はどう走り抜けたいのか。


 「人や国の不平等をなくそう」、「平和と公正をすべての人に」。この2つの目標が私の関心を惹きつける。おそらくそれぞれ自分に引っかかるものがあるだろう。老若男女関わらず、自分の感覚に合う問題意識が見つかれば、それを意識しながら生活を送るだけで貢献できるかもしれない。


 「笑って学ぶSDGs」で私が感化されたように、笑って楽しくSDGsをより多くの人に学んでもらえたらと思う。そして本当に持続可能な社会を共に築いていきたい。



「笑って学ぶSDGs」集合写真

文:笑下村塾 学生記者 横川蓮奈



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