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  • 執筆者の写真笑下村塾

群馬県リバースメンター体験記。高校生の感想をご紹介します

 群馬県リバースメンター事業は、高校生自らが群馬県知事のメンターとして政策等を提言し、社会を変える実感を持つことによって、群馬県が目指している『始動人』(自分の頭で考え、他人が目指さない領域で動き出し、生き抜く力を持つ人)の育成につなげることや、高校生ならではの感覚や価値観を持った意見を県政に取り入れ、新たな展開を生み出すことを目的としています。

 若者が積極的に意見を表明したり、政治に参加したりするようになるために、「主権者教育」を実施している笑下村塾では、この事業を年間を通じて実施してきました。

 2023年度参加者の生き生きとした感想をぜひお読みください。また、2024年度も実施予定ですので、続報をお待ちください。



目次




1.【自分の意見を相手に伝えるスキルが身に付いた!】岩月太郎、県立太田高校、高3



 私が笑下村塾や山本知事と知り合ったのは、「高校生リバースメンター」が始まる1年前、「群馬県知事への提言会」からである。群馬県知事への提言会は、高校生リバースメンターの前座として行われた比較的小規模な企画である。提言会では、自転車事故を削減するための自転車道の整備を知事に提言した。しかし、予算・時間の課題が大きかったことから実現を断念した。そして、翌年高校生リバースメンターに参加し、自転車の走行環境を快適にする活動を継続させていただくことになった。

 高校生リバースメンターとは、群馬県内の高校生が群馬県知事の山本一太知事に対して、高校生ならではの視点から県の課題を指摘し、解決策をボトムアップ型で提言する制度である。

 私は今回、目的達成に向けて自転車の重要性を認識してもらうことから始めようと思い、自転車×観光であるサイクルツーリズムを県のリトリート政策と組み合わせて推進した後、徐々に自転車に優しい走行環境を創出しようと考えた。このプランは実現に数十年を要するだろうが、県庁内部や県と市町村の連携に好影響を及ぼすことが自身の役割だと思っている。この計画の主体は私でなく、行政だからだ。

 具体的なプランは、最初に県で最大の観光市場を持ちサイクリングに適した道路と自然がある草津町周辺を開拓し、続いて利根沼田地域、榛名山など好条件の地域へ拡大すると同時に走行環境の改善を行い、最終的には生活利用で需要のある地域で自転車道等を実装し事故を削減することである。全国で最も自転車事故が多い県からの脱却と、サイクルツーリズムによる新たな市場の開発を目的とする。

 提言内容を煮詰めるに当たり、笑下村塾のたかまつななさんをはじめ、県や企業の方々と議論し、助言をいただいた。そして、顧客の分析や市場規模の考察などを行う他、他県のサイクルツーリズム推進団体に10カ所近くインタビューを行った。そして、2024年4月現在では、群馬県知事と草津町長と共に、草津にある渋峠でサイクリングをする動画を撮影することが決まっている。

 高校生リバースメンターとしての活動を通して、政策の細部まで拘り抜く重要性と、自分のプランを魅力的に伝える大切さを実感した。今後、大学生・社会人になってもサイクルツーリズムという枠にとどまらず、プランの妥当性を検証する「科学」と、一歩を踏み出すための「感性」を大切にして社会を変える一躍を担いたい。


2.【初めて社会を変えたいという熱い気持ちを得られた!】ぐんま国際アカデミー、高2




 2023年度高校生リバースメンターを務めました、みかこです。

 リバースメンターは、信頼できる相談役という意味を持つ「メンター」と逆転という意味の「リバース」を組み合わせた名前です。群馬県の高校生が知事の相談役になって新たな政策を打ち出していく取り組みで、知事から高校生に何かアクションを起こすのではなく、逆に若い高校生の意見を信頼してもらって知事に聞いてもらうという事業です。

 私は、「子宮頸がんワクチンの接種を普及させたい」という提言を当初持っていました。きっかけは、一緒に活動を行っていたゆいからHPVワクチン、子宮頸がん等の病気を防ぐためのワクチンの接種率が他国では8割超えているところもあるのに日本は1割にも満たないということを教えてもらったことです。自分もHPVワクチンという言葉を今まで聞いたこともなく、この問題は他人事ではないなと思い、何かアクションをしようと決め、8月にリバースメンターになり、知事に提言する運びとなりました。

 11月、知事に直接意見を伝えることができる提言会では、群馬県内の高校で講演会を行うこと、TikTokをつかって情報を広めること、生理用ナプキンのパッケージに情報を載せて啓発を行うこと、学校でのワクチンの集団接種を行うこと、子宮頸がんワクチン接種・検診キャンペーンを行うこと、以上5点を提言しました。この中でありがたいことに、Tik Tokの案と生理用ナプキンの案が実際に群馬県で事業化されました。リバースメンターに就任する前までは、特に社会を変えたいという熱い気持ちはありませんでした。しかし、就任後、自分たちの役割を再認識したり、自分の提言が通って実際に行政を変える体験をしたことで、社会に何らかの影響を与えられる人間でありたい、あり続けたいと以前より強く思うようになりました。さらに、共に切磋琢磨した他のリバースメンターの様々な提言を目の前で聞いて、多種多様な社会問題を以前よりも自分ごととして捉えられるようになりました。

 リバースメンターの任期は終えましたが、今後とも社会問題を他人事ではなく、自分もそこにかかわる一員であるという意識をもっていきたいと思います。この半年で学んだことを無駄にしないべく、子宮頸がんに関する啓発を含め日々精進してまいります。



3.【自分の力で社会を動かせると知った!私も子供の意見に耳を傾けられる大人になりたい!】ぐんま国際アカデミー、高2




 今回私はこのリバースメンターのプロジェクトに、リバースメンターとして選ばれた高校生10人のうちの1人として参加することができました。リバースメンターとは、笑下村塾さんと群馬県さんが共同で実施しているプログラムです。このプログラムでは、高校生が群馬県知事のリバースメンターとして政策提言し、若者の声を政治に反映させることことができます。目的としては、若者には社会を変える実感を持たせ、県政には新しい展開をもたらすこと、私たちの意見を聞くだけで終わらず、アイディアを事業化し、予算化することが挙げられます。

 私達10人は、社会を変えるための知識やスキルを学びながら、実際に社会を変える体験をすることができました。 私は子宮頸がん、HPVワクチンの啓発活動を行いたくて、このプロジェクトに申し込んだため、私の提言は「子宮頸がん罹患率ゼロを目指す!」ことでした。私たちは提言するまでに笑下村塾さんのワークショップでメンターの方々から色んな角度からアドバイスをもらい、そのアドバイスから自分たちの提言をブラッシュアップをしていきました。やはりどうしても自分たちだけで提言を進めていると反対する人の意見を考えるのを忘れてしまったり、現実的に考えきれなかったりしたので、アドバイスをもらうことができてとてもよかったです。 私はこのリバースメンターというプログラムに取り組む前までは県のような行政機関を動かすことはできないと思っていました。しかし、このプログラムを通して動かすことができることを実感しました。笑下村塾の皆さんを含めた大人の方々が私たちの意見、提言に耳を傾けてくれたのを見習ってこれから自分が大人になった時に子供の意見をちゃんと聞いてそれを聞いただけで終わらせない大人になりたいと思いました。 

 今後私はこのリバースメンターでの経験を生かして、子宮頸がんの啓発活動をこれからも行っていきたいと思っています。現在、『Navillion』という名前の高校生団体をリバースメンターに一緒に申し込んだ友人と立ち上げたので二人で頑張っていきたいと思います。現在、Navillionで活動していることはインスタグラムでの子宮頸がんとHPVワクチンについての情報をあげて多くの人に知ってもらえるよう投稿をしています。




4.【答えのない問題に対するアプローチ法と行動力を体感できた!】神谷航平、高3



 リバースメンターに興味をお持ちの皆さん、こんにちは。

 この文を読んでいる方の中には、群馬県リバースメンターになんかなって何になるの?と懐疑的な方もいると思いますので、少しでもこんな良いことがあるんだ!と知っていただく一助になればと思います。

 さて、私がリバースメンターに入ろうと思ったきっかけは「学校の校則」です。

「学校内で校則を変える校則が存在しない」

「校則を変えるのに関わるのはいつも生徒会だけ、生徒はほとんど関わらない」

といった、制度的に子どもたちが意見を表明できる場というのが極端に少ないことや、

「社会を自分たちで良くできるとは思えない、したいとも思わない。誰かがきっと良くし

てくれるはずだろう。」

今はなんとか生活できていても、将来のことを悲観的に考えてしまう中学生・高校生が非常に多いと日々の生活で感じていたことから、リバースメンターになって少しでも良い方向になればと思い活動に参加することにしました。

 リバースメンターの活動を通して、悲観的に考えてしまう子が何か変化したかと言われたら、そんなに上手くはいかなかったのですが、上手くいかない中でも、上手くいかない理由を見出せたのはリバースメンターに入って良かったところの1つです。

 子どもたちが抱える課題は複雑で、簡単に解決できるものではありません。しかし、その課題の本質を理解し、解決へのヒントを見出すことができたことは、活動の意義を示す重要な成果だと思います。

 この経験から、リバースメンターの活動には、単に現状を改善するだけではなく、課題の本質を理解し、未来につなげていくという大きな意義があると思います。子どもたちの未来を築く上で、彼らの抱える問題の本質に迫り、そこから新しい解決策を見出していくことが重要だと気づかされました。

 高校で暗記して覚えた英単語や数式、古文単語はある時に忘れてしまうかもしれませんが、リバースメンターで体感する「答えのない問題」に対するアプローチ方法と行動力は、一生の宝になりました。

 「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きてるんだ!」という有名な言葉があるように、机上の空論で終わりにせず、誰かのせいにして終わりにもせず、自分のできる最大限のことをリバースメンターで発揮してほしいと思います。皆さんの力を最大限発揮するために、笑下村塾のスタッフやリバースメンターのアドバイザーの方、県職員をはじめとした、あなたにとって必要な人が一緒に伴走をしてくれます。

 新しいリバースメンターの皆さんに期待しています。



5.【個々人の力が大きな変化をもたらす可能性を信じるようになった!】倉林虎輝、中央中等教育学校、高1



 高校生リバースメンターとは、「高校生が知事の相談役となって、政策提言をする」活動のことである。この活動を部活の先生から教えていただき、参加することとなった。リバースメンターの方で「害虫問題」や「校則」に関する提言をしている方もいた。私が山本知事に提言した事は「eスポーツでコミュニティを」だ。これは年齢、性別関係なく行うことのできるeスポーツを使って群馬県内に新たなコミュニティを作成するというもの。提言前の三ヶ月間、二週間に一度のペースで、省庁の方などに提言案を聞いていただき、意見をブラッシュアップしていった。省庁の関係者や専門家に意見を求め、提案内容をより具体的にするための作業が行われた。その結果、eスポーツを通じたコミュニティ形成の提案が採用されたことは、新たな試みとして注目されるべきである。これは、若者が自らのアイデアや行動を通じて社会に対して積極的な影響を与えることができることを示す一例と言えるだろう。提言後、やにわに担当課の方から声をかけていただき、eスポーツのイベントを開催することが決まった。活動の中で得られた最も重要な教訓は、無意識の先入観が行動を制限してしまうことである。多くの人々が社会の変革を実現することは難しいと考えがちだが、実際に行動を起こすことで、小さいながらも局所的な変化をもたらすことができることを示した。この経験から、私は個々人の力が大きな変化をもたらす可能性を信じるようになった。

 今後もeスポーツコミュニティの発展に向けて、積極的に取り組んでいきたい。eスポーツは若者を中心に急速に普及しており、そのポテンシャルはまだまだ未開拓の領域が多い。私たちの提案が新たなコミュニティ形成につながり、地域社会の活性化に貢献できることを期待している。これからも先入観にとらわれることなく、自らのアイデアや行動を活かして、社会にプラスの影響を与えることができるよう努めていきたい。


6.【自分で解決策が考えられたとしても世の中に発信しなければ社会は変えられない!】十河愛寧、市立太田高校、高2



 群馬県では、高校生が知事のメンターとして政策を提言し、若者の声を政治に反映させて、社会を変える取り組みが行われています。それが、リバースメンターです。日本の若者が自分で社会を変えられると考える割合が低いことや、若者の声が政治へ届きにくい状況が課題となっています。高校生の声を政治に反映させることによって、若者の感覚や価値観を県政に取り入れて新たな展開が生まれることを目的としています。

 私は、外国人が安心して適切な医療を受けることが出来る体制づくりをするための提言をしました。外国人に対する医療問題は様々ありますが、私は、医療通訳と情報提供の2つの問題の解決を目指しました。具体的には、医療通訳センターを作り、いつでもどこでも誰でも医療通訳が使えるような体制をつくること、外国人受け入れ対策協議会を設置すること、外国人患者受け入れ支援サイトを開設すること、多言語資料を充実させることなどです。

 私はリバースメンターの活動期間中に、群馬県・厚生労働省・メディフォン株式会社・群馬県立がんセンターにオンラインインタビューをしました。インタビューを通して、自分の知見が深まったり、より良い政策を提言するアイデアを見つけたりすることが出来ました。そして、自分の質問力や情報整理力を上げることが出来ました。ワークショップでは自分が今考えている政策を説明し、自分の考えに何が欠けているのか、どうしたら県の方に動いてもらえるのか考えることが出来ました。提言会後のワークショップでは、自分と年が近い自ら動く大学生の話を聞くことができ、任期後も活動を続けたいという意欲がわきました。

 私はリバースメンターに応募する前から、この外国人に対する医療問題に関心がありました。しかし、自分で解決策が考えられたとしても世の中に発信しなければ社会は変えられないと思い、このリバースメンター事業に参加しました。初めて事業の内容を読んだときは、わくわくしましたが、同時に自分にこんなに大きな役目が務まるのだろうかと不安もありました。しかし、スタッフの皆さんの温かいサポートと、たくさんのアドバイザーの方の助言により、充実した調査と満足のいく提言が出来たと思っています。そして、問題解決力、話を聞いてそれを生かす力、プレゼン力、行動力、情報取集力など様々な力を身につけることができ、パワーアップしました。また、社会の中心である行政の仕組みについて知ることが出来ました。

 時にはアドバイザーの方に、「この政策だとだめそうだ」と現実を突きつけられたときは、くじけそうになりました。いや、リバースメンターになる前の自分だったら、絶対にくじけてしまっていたでしょう。しかし、そこで諦めず、「もっと調べて、いい案を考えよう」と思えるようになったのは、やはり「人のためになりたい」「社会に貢献したい」という想いが強くなったからだと思います。この事業に参加する前は、社会に関心はありましたが、自分が関わる・関われるものではないと思っていました。しかし、この事業に参加して、「自分は立派な社会の一員である」という責任感が芽生えたと同時に、「自分は、社会を変えることが出来るのではないか」と思うようになりました。

 また、知事へのイメージも変わりました。こんなにフランクに接してくれる知事は、他にいないでしょう。子供扱いするのではなく、対等に接していただき、率直な意見も受け止めて頂きました。Tsulunosuの直滑降ストリームの企画をリバースメンターになる前に見ていて、こんなに楽しいことを考えて実行することが出来る人なのだと驚きました。実際に会ってみると、あの時に見た動画と同じように楽しく元気な方でした。リバースメンターになった後にはもっと知事の考えを知りたいと思い、毎日知事のブログをチェックするようになりました。今では、知事がアコギの練習をしていること、たまにジムで鍛えていることなど…色々なことを知ることができ、毎日更新を楽しみにしています。

 この事業に参加したことで、様々な人と出会うことが出来ました。特に共にメンターを務めた仲間たちとの出会いは、宝物です。事業に参加する前は自分が考えている問題しか深めることができないと思っていましたが、他の人の提言からも様々な学びがありました。高校生でこんなことを既にやっている人がいるのかと驚愕することもありました。自分の興味ある問題だけでなく、幅広い分野のことも知ることが出来ました。意欲のあるみんなとたくさん議論しあったり、イベントに参加したりできて、とても充実した時間が過ごせました。

 今後は受験勉強に専念し、晴れて大学生になれたら、大学で仲間を集め団体を作りたいと思っています。この事業では一人で追究をしていましたが、仲間がいればもっと大きなことができるのではないかと考えています。そして、専門的な知識を身につけた後、医師として群馬県で働きたいと思っています。現場で様々な経験をして、医師の視点からもう一度この問題に向き合ってみたいです。そして、群馬県の方々にたくさん支えていただいたからこそ、恩返しをしたいと考えています。

 「人のためになりたい」「社会に貢献したい」という強い情熱の下なら必ず成し遂げられると信じています。この事業に参加した経験は、必ず今後の人生に影響を与えるに違いありません。今回このような事業に参加させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。



7.【一歩踏み出したからこそ、見ることができなかった景色を見れた】高2




 私はこの半年間、きっとあの一歩を踏み出さなかったら見ることができなかったであろう景色をたくさん見てきました。自分と違う意見を持つ人がいることは当たり前。そんな人たちに少しでも自分の思いを届けるにはどうしたらいいか。そんなことを考え続けてきました。リバースメンターになろうと思ったのは自分のつらい過去を知ってほしかったからです。自分と同じ境遇の人に、教育に関わる全ての人に。結果的にすべてを実現することはできませんでしたが、声を受け取ってくれた方といろいろな企画を考えたり、NHKで取り上げてもらえたりとこの経験は無駄ではないのだと感じました。私は英語は得意じゃない、自転車で旅することもできない、桜を守れない、子宮頸がんを知ろうとしない。そんな生活から一変したこの日々を本当に嬉しく思います。



8.【真剣に向き合ってくれる大人に出会えた!高校生活1番の思い出ができた!!】野崎愛莉、新島学園高等学校、高2



私が提言したテーマは「学校にわくわくを広げたい」です。

この提言するきっかけになったのは自分自身の体験でした。一時期私は学校に行くことが苦痛でした。当時は原因が分からず、毎朝なぜ自分は周りの子のように学校に行けないのかと胸が締め付けられ泣きながら登校していました。そこで「学校がもっと勉強が楽しめる、わくわくを感じられる場所だったらいいのに」と感じるようになり、この提言を決めました。

日本の教育の社会課題の中には不登校児童生徒の増加があります。この10年間全国的に不登校生徒の数は毎年増加していますが、不登校の定義は30日以上の欠席とされていて、不登校気味や辛さを感じる生徒は含まれていません。よって10人に1人の生徒が不登校気味にあるとも言われています。

そこで私は二つの提言をしました。公営塾と人材バンクの設置です。

学校が狭い社会であることは学校にわくわくが少ない原因だと思い、生徒がより多くの人と関われることを可能にする政策が必要だと提言しました。他にも学ぶ意義が不明確であることはわくわくが少ない原因だと考え、普通の塾では行わない各科目の学ぶ意義や面白さが見つけられる授業を体験できる公営塾を設置してほしいと提言しました。あくまでも極端な例ですが、宇宙飛行士による物理の実験授業などを行いたいと伝えました。それからも沢山の方々の話を聞き、少しずつ提言するために考えたことを活かし何かしらの形で実現できないかと活動しています。

私はもともと考えすぎてしまいなかなか行動ができない人で、自己肯定感も低く、自分になんてできるわけないと思ってしまいがちでした。また高校生の意見など真面目に向き合ってくれる大人は少ないと偏見を持っていました。しかし、リバースメンターを通し沢山の大人や仲間と出会って考え方が変わりました。本音を言葉にすること自体が苦手で泣きながら必死に伝えようとする私の話をゆっくり聞き、優しく聞き出してくれる笑下村塾の皆さんや県庁の皆さんのおかげでこの短期間で大きく成長することができました。正直学校とこの活動を両立するのはとても大変で、挫折しそうになることもありました。それでも約半年間やりきったことで自分に自信がつき、今では高校生活の中で1番濃い思い出に残ると思っています。これからも様々なことに積極的に挑戦し、少しでも社会を自分をより良く変えられるよう活動を続けていきたいと思っています。



9.【一人でも社会を意識私の中では“0”から“∞”に!】山岸倖太朗、高崎商科大学附属高等学校、高3




 リバースメンターを始めたきっかけは一言でいうと面白そうという軽薄なものでしたが約半年間活動を通して、官僚、弁護士、起業家、教育委員長など様々な方々と話した時間はとても貴重で自分の成長につながるものであったと断言できます。 また多種多様な世の中を変えたいという強い意志を持つ仲間との出逢いは自分の考え方や社会を見つめる視点の変化を実感したとともに、強いインスピレーションを感じました。 私は中高生徒会本部役員を務めた経験から生徒会の連携の大切さや、若者の意見表明を設ける場の設置について県に提言し、それに対して理解を示してもらうことができました。 社会を変えるということに対して私は一人では難しいと考えており、それはこれからもおそらく変わらないと思います。ここまで読んだだけだとリバースメンターをしても意味がないと思うかもしれません。ですがこの活動を通して一人でも社会を意識私の中では“0”から“∞”に変わりました。自分と同じ問題意識を持っている人を見つけてそこからムーブメントを広げていけば難しくてはあっても社会を変えるきっかけをつくれると考えられるようになったからです。 自分が変えたいと思っていることに対して真摯に向き合い、活動に取り組んでいればその問題に興味や関心、問題意識を持った人が次第に集まってきます。今回は直接知事に提言をさせていただいたので、もしかしたらその意見が政治家など世の中を変える力を持っている人にとどかないかもしれません。しかし、耳を傾け賛成してくれる人は絶対にいます。 私は大学に進学しますが、今後も自分と生徒会の仲間で立ち上げた生徒会協議会には陰ながら支えていきたいと思っています。また今回自分の埋もれるはずだった意見を掘り起こしてくれたリバースメンターのような若者と大人の橋渡しとなれるような活動を続けていけたらいいなと思っています。


10.【はっきり意見を伝えられるように!】吉田哲理、市立太田高校、高2



1、 リバースメンターとは

リバースは逆、メンターは助言者と訳されるように、本来アドバイスは上司から部下にするものですが、その逆、部下が上司にアドバイスをする、これがリバースメンター制度です。この場合では、高校生が知事の相談役として、自分が課題意識を持つことを行政に向けて提言することを指します。

2、 どんな提言をしたか

私は特定外来生物のクビアカツヤカミキリに関する提言を行いました。クビアカツヤカミキリ(人に説明する度に「“クビアカツヤカミキリ”って言えない!」と言われるので以下クビアカと略す)とは、その幼虫が桜や梅、桃などのバラ科樹木の幹の中を食い荒らし、枯死や倒木に至らしめる害虫で、群馬県では合計7684本(2023年)被害が出ている。実は梅の生産量が全国2位の群馬県。桜の名所も多い。このままでは群馬の梅が食べられなくなる!桜が見られなくなる!という危機意識を抱き、次の5つの提言をしました。

A. 吉田哲理のクビアカ講習会(学校の理科・生物などの先生方への周知及び授業実践依頼)

B. 桜ナンバーシステム(樹木版マイナンバー。年ごとの被害状況の追跡、樹木の被害・対策状況の把握)

C. 他県・市町村連携(クビアカ対策失敗例などの情報共有)

D. クビアカボックス量産化&設置(クビアカをトングで捕まえて設置済ボックスに入れる。心的負担軽減の為)

E. 定期駆除イベント開催(駆除しつつ地域の方々への認知活動にもなる)

3、 どのように活動に取り組んできたのか

高校生たちの提言をよりよくするために、省庁の方や課題解決活動をしていらっしゃる方やメディアの方などの有識者と話し、提言に説得力を持たせたり、違う視点の意見を聞いたりしました。また、笑下村塾や県庁職員の方のサポートや仲間の高校生の力を借りつつ、提言に必要なデータ収集や行動をしました。

4、 リバースメンターをやる前後でどんな変化があったか

最初は不安や緊張や遠慮で自分が感じた違和感を省庁の方や県担当課の方等に伝えるのが難しかったのですが、相手が真摯にはっきりと自分の提言に対して助言をくださったことで、どんどん自分の中の思いや悩みや「そうじゃない!」という気持ちを伝えてよいのだと思うようになり、物事をはっきり言うことができるようになりました。

5、 今後どのように活動を続けていくのか

クビアカ駆除イベント(掃討中)を開催する予定です。クビアカを題材とした授業実践や総合的な探究などの啓発を行っていきたいです。



生き生きとした高校生の感想いかがでしたでしょうか?

笑下村塾は、今後も若者の主権者教育に力を入れて活動してまいります。

ぜひ、応援していただけると嬉しいです!


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