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SHELLYさんの〝ほのかな抵抗〟テレビの「お約束事」に小石を投げる


タレントとしてバラエティからニュース番組まで幅広く活躍しているSHELLY(シェリー)さん。実は、「男らしさ、女らしさ」「日本人、外国人」という古い〝お約束事〟に対し、SHELLYさんなりの手段で揺さぶり続けています。「怒っていてもしょうがないから、優しく起こしてあげなきゃいけない」。バラエティーが大好きだからこそ、一石を投じようとする姿勢について、YouTube「たかまつななチャンネル」で話を聞きました。





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バラエティで小石を投げ続ける

――私は真面目に社会に向き合えば向き合うほどしんどくなっちゃうんですけど、SHELLYさんはどうやって気持ちを切り替えているんですか? SHELLY:私の根底には、ずっと言っていれば何かが変わるかもみたいなポジティブな思いがあります。あと大好きなバラエティに出続けて、バラエティの中の普通の人がポンって言うことのほうが意義があるなって思っているんですよ。だからバラエティでも石を投げ続けて、怒っていることの100個のうち厳選して10個言ってバランスを取っているっていうのはあります。 ――バラエティの世界って、いちばん価値観が古いところだから難しいですよね。 SHELLY:めちゃめちゃ難しい。だけど探って探って、いじった側もいじられた側も傷つかない方法で小石を投げる。例えば、最近はほぼないですけど、5年前ぐらいは優しい感じの男性が番組に来て、話し方も優しくて物腰が柔らかいと「お前ちょっとこっちなんじゃないの」みたいなことを言って「違いますよ、なんですかやめてくださいよ」みたいなことが起きてみんながドーンって笑うみたいなことがありました。 そういうとき、私が当時意識していたのは、笑いが収まって一拍置いて「もちろんそうだったとしてもいいんですけどね」って言うことなんです。当然編集で切られますけど、その場にいる人たちは「え?」ってなる。一瞬「何今の?」ってちょっと印象に残る。すると次回、いじった側の人が、また同じような優しい感じの男性が来て言おうとしたときに「あのときSHELLYがうるさかったな、ここにSHELLYみたいなうるさいやついないかな、そしたら笑い冷めるな、言うのやめよう」ってなる可能性があるから。







テレビのお約束ごとに乗らない

――けっこう確信犯的にやられているんですね。SHELLYさんは、テレビのお約束事にも乗らないところが素敵だなと思います。 SHELLY:昔は乗っていたこともありました。見た目がインターナショナルだから、SHELLYとかあれでしょみたいな感じで振られると「やばい、外国人ジャンルにされる」って危機感があったからあえて「すみません、私、顔だけで、中身は日本人なんです」って笑いを取るとか。 結局ハーフっていうのは「ザ・外国人帰国子女キャラ」か「英語話せませんキャラ」しか選べないから。その後はお約束ごとに乗らないようにしていたんだけど、離婚したときに急に離婚イコール寂しいみたいないじり方をされるようになったの。それこそ幸せそうなプロポーズのエピソードを見て、わーって思っていたら、パって私の顔がワイプで映ってすごいカメラが寄るみたいな。ここで映すなよって言ったら笑いを取れるんだろうけど、これをやっちゃうと離婚イコール不幸になっちゃうなと思って。皆さんがやってほしいやつは分かるけど、本当ごめん、あえて私は答えませんって。 ――それが本当にすごいですね。私はみんなのお約束事に乗るっていう習慣がついてしまっているので。 SHELLY:だから、私は離婚直後からあえて恋したい恋したいっていうのもすごく言っていて、離婚イコール寂しいじゃなくて、離婚イコール次の恋愛ができるって。お母さんは恋愛しちゃいけないっていう空気がある中で、絶対そんなの嫌だって思って。恋愛したいし。あえて恋愛が楽しみみたいな感じでやっていたことで、寂しいでしょうみたいないじりもあんまりない。 だから意外とルールを無視すると、それはそれでみんなが成立させてくれるというのがあるかもしれない。 ――バラエティは笑いを取れればいいっていうところがありますもんね。でもめちゃくちゃ腕がある人じゃないとできないです。私もやりますって言おうと思ったんですけど、無理無理。 SHELLY:持ち上げるね(笑)。あとは年齢もあるかも。年齢が上がってきて自信がついてきたことで、自分がやっていることにすごく意義を感じるから、今まで一石投じることができなかった部分に小石を投げることができるようになったりとか。 バラエティに出ることって、ただみんなに笑ってもらうだけじゃなくて、世の中の鑑でありたいなっていうのがあって。でも今、出演者がどんどん鑑じゃなくなっている中で、そうあり続けるためには、分かる分かるってみんなが共感して笑えるところに引き戻す役割でいたいなって。


分断が進む中で大切なのは…

――社会としてはどう変わっていくべきだと思いますか? SHELLY:私はアメリカを見ていてやっぱり分断が一番怖いなって思う。ああなったのって、私はSNSが原因だと思っていてSNSで同じ考えの人が集まるようになっちゃって対立構造ができている。日本でもまさに世代の分断とか考え方の分断が起き始めていると思うのね。 ここで「セクハラ、パワハラするようなやつら、女性蔑視発言するやつら、全員いらねえよ、老害だ」みたいなことを言って切り捨てるのはかっこいいかもしれないけど、向こうは向こうで「なんだよムカつく」ってなって分断が進んで何も起こらない。 周りを見渡してみたときに、あなたのお父さんももしかしたらそういうことを言っちゃっているかもね。大好きなあの師匠とか先輩も、もしかしたら笑いを取ろうとして女性蔑視なことを言っているかもしれないと考えて、じゃあどうしたらそういう発言がなくなるのか、なんでそういう発言をしちゃうのかって議論をしなきゃいけないと思っていて。 そのためには、お互いに聞く耳をもって意見を聞かなくちゃいけない。周りに同じ考えの人しかいなくなっちゃうと、どんどん自信がついて俺らが正しいよってなっちゃうから。それがすごく怖いなって思う。



感度が低い人を優しく起こす

――SHELLYさんはどうやって感度が低い人に対して説得をされますか? SHELLY:私はよく優しく起こすっていう言い方をするんだけど、英語でWokeっていう言葉があるの。「目覚めている」って意味なんだけど、例えば人種差別とか性差別とかいろんな不平等とか、そういうものにちゃんと気がついていている人たちのことをWokeっていうわけ。 そのWokeな人たち同士で「しょうもねえなあいつら、ずっと寝てるじゃん」って怒っていてもしょうがないから、優しく起こしてあげなきゃいけない。「ごめんなさいね、私そういうのすごく敏感なんです。私が面倒くさくてごめんなさい。あんまりそういうこと言わないでください」みたいに自分が面倒くさい人になる。そうすればその人と壁ができないし、角が立たない。怒るだけじゃなくて、こうやって優しく起こして、ちょっとずつ理解してもらうことが必要なのかな。 ――SHELLYさんの今後の目標はどんなことですか? SHELLY:やっぱり性教育のイベントがしたいなって思う。このコロナが終わったときに、もっと実践的な話をしたりとか、もっとこう、双方向で直接話を聞いちゃうみたいなことを。あとは、何十年後かの夢なんだけど、私と同じ考えを持った人ともっと仲良くなって、みんなでチームを組んで、発信する人を増やしていきたい。それでお互いに一緒にイベントをやったり、一緒にどこかの学校に行って話をしたり、ロールモデルになれる人をどんどん見つけてどんどん仲間にしたりして、生理の話とか、セックスの話とか、女性であることとか、ジェンダーの話とかそういうことを話せる人たちを増やしたいなっていうのはあるかな。 ――素晴らしいです。タレントさんの中には、社会問題のことをやりたいけど事務所に止められている人もいる中で、いまは私とかウーマンラッシュアワーの村本大輔さんとか、過激派みたいな人が目立っちゃっていますけど、SHELLYさんみたいな人が来てくださることで、マネジメント的に全然ありじゃんみたいな空気感が出てきている気がします。 SHELLY:私、村本さんみたいに見られたくない(笑) ――村本さん絶対ネタにしますよ、それ。 SHELLY:村本さんも素晴らしいと思うし、思ったことを言える人はみんな素晴らしいです。 ――もしよろしければ、またいろいろとお願いします。本日はありがとうございました。


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